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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0126A01: なりて。いと▲法門の沙汰も。うとく侍り。(一一)され
Z08_0126A02: ばとて。出離の大志を。わすれたるにはあらねども。
Z08_0126A03: つたなく()(セイ)の小節にか〻はされ(所拘)たる。いかに
Z08_0126A04: 心ぎたな(黑)くをしはか(推量)り給ふらん。(一二)苛政
Z08_0126A05: カラキマツリゴト)は虎よりもはげ(猛)しといへば。常にこそ。御
Z08_0126A06: いさ(諫)めにもあづかりたきに。などか。うたてう。(薄
Z08_0126A07: 情)まれ(希)にもた(立)ちいりたまはぬ。ゆ(往)きては
Z08_0126A08: をしへぬ(不敎)禮なれども。か〻るつみ人をば。す〻
Z08_0126A09: (進)みてすく(救)ふ儀(禮儀)も侍るらんかし。(一三)こ
Z08_0126A10: よひの面會はことに(ホン)(モウ)なり。いはけなき源語もの
Z08_0126A11: どものあまたした(慕)ひまう(參)できたるをも。つみ
Z08_0126A12: かろ(罪輕)め侍りなんず。(一四)
Z08_0126A13: 抑(一五)彌陀の本願。慈悲ひとしく攝(オサムル)し。衆生の根
Z08_0126A14: 機。善惡おなじく歸すといふ事。たび〱うけたまは
Z08_0126A15: り。ふり(舊)にき。(一六)それにつきて五逆の惡人もえら
Z08_0126A16: ばれず。(不簡)一念の稱名もすてられずときくまでは。
Z08_0126A17: 佛願まことにさぞあるらんとうたがひなく。わが分。
Z08_0126A18: よもはづれじとたのもしき程に。(一七)信心具足して
Z08_0126A19: 申念佛こそ。往生はすれといふおり。(時)(一八)さてはわ
Z08_0126A20: が身にはそれ信心やいまたし(未)からんとあやぶ
Z08_0126B01: (危)まれて。往生もなを一定ともおぼえねば。心もい
Z08_0126B02: まひときは(今一限)うきたちぬるあさましさに。(一九)を
Z08_0126B03: して(推)本願があやまりなければとおもひなせども。
Z08_0126B04: (二〇)それも安心のうへにこそと。たちかへり〱。う
Z08_0126B05: かれゐ(浮居)たるをば。(二一)いづかた(何方)につ(著)き
Z08_0126B06: てか。(ラツ)(キヨ)(オチヰ)し侍るべきと〻(問)へば。(二二)聖こた
Z08_0126B07: へていはく。いまうけたまはるやうは。すでにおこり
Z08_0126B08: たる信心を。心からおもひさまされたるにこそ。物の
Z08_0126B09: ゆくゑしらぬとて。いとうたてうも侍るかな。(二三)
Z08_0126B10: まづその機のわろきをも。行のすくなきをも。すてぬ
Z08_0126B11: 本願といふまでをき〻て。うたがはしからず。たのも
Z08_0126B12: しくおぼすらんをこそ。すなはち信心とは申せ。その
Z08_0126B13: ほかには。さらになにをかもとめ給はん。(二四)いかに
Z08_0126B14: 十惡五逆。機一念十念行もときけども。さはいへ
Z08_0126B15: ど。たやはすくはあらじをなど。本願をかすめうた
Z08_0126B16: がひて。たうとくもえおぼえぬこそ。信心のなきにて
Z08_0126B17: はあれ。(二五)おほかた。このごろは。念佛の法門み〻
Z08_0126B18: なれて。あら〱しく。願力をよもとまでうたがふ人
Z08_0126B19: は。よにまれなり。(二六)されば。わりなき(無別)(ホトケ)
Z08_0126B20: 御慈悲などきくおり。さすがたのもしと。心うごかぬ

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