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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0105A01: るなりと侍る。こ〻に相てらしてみるべし。首尾よく
Z08_0105A02: 符合せり。つたなしとは。根鈍障重の義なり。をろかな
Z08_0105A03: りとは。劣弱の義なり。いやしとは。念佛の數もすく
Z08_0105A04: なく。妄念もまじはり。すべて勇猛ならぬ事なり。●
Z08_0105A05: (八八)此度の往生は。一向に佛の御力なり。助給南無
Z08_0105A06: 阿彌陀佛と申ばかりを。しゐて我等が行因と名付て。
Z08_0105A07: たやすく攝取し給ふなり。是ほどの取柄だにあれば。
Z08_0105A08: 因果のことはりにもそむかずして往生す。是を他力
Z08_0105A09: の出離とはいふなり。たとへにあはせてしるべし。○
Z08_0105A10: 弘決。媒者和合之主ナリ已上●(八九)わづかに釣
Z08_0105A11: 針をのめば。やがて水を出るが如く。た▲本願にだに
Z08_0105A12: もすがれば。決定往生すべきなり。なずらへてみんと
Z08_0105A13: は。よそへておもひあはすべしとなり。上人云。念佛は
Z08_0105A14: 佛の本願なるがゆへに。願力にすがりて往生する事
Z08_0105A15: はやすし。已上○此問答は。願文の若不生者。不取正覺の
Z08_0105A16: 二句に就て來るゆへ。爰に此詞を入てむすび給ふな
Z08_0105A17: り。●(九〇)上卷。しかるをよのつねの人のおも
Z08_0105A18: はくは。かひなく。た▲をのが心ざし。をのが行の功
Z08_0105A19: にて。むまれんずるやうに心えて。ひたすら佛の御ち
Z08_0105A20: からとのみはおもはぬこそ。おほけなき事にて侍れ。
Z08_0105B01: さるほどに。す▲ろに心行も不足に覺て。往生もうた
Z08_0105B02: がはしげなり。これしかしながら。他力のいはれをお
Z08_0105B03: もひわかぬゆへなり云云。ならふとは。私にあらざる
Z08_0105B04: 事をしるす。法然上人より。代々ならひつとふるとこ
Z08_0105B05: ろなり。他宗の人は。此他力のいはれをしらず。や〻
Z08_0105B06: もすれば。行者の心行にと▲こほりて。往生をうたが
Z08_0105B07: ふなり。これ宗の故實をしらぬゆへなり。又これ智解
Z08_0105B08: 淺短にして。彌陀の智願海の涯底なき理をわきまへ
Z08_0105B09: ぬゆへなり。抱朴子。何ラン一尋之綆。汲ンテ
Z08_0105B10: 百仭之深キヲ。不M(シテ)之短ヿヲ。而云フニ
Z08_0105B11: 上レ水也。又曰。所謂以ルニ。指極而云
Z08_0105B12: タリト者也。已上○そも〱これらの趣は。光明大師己
Z08_0105B13: 證の妙釋。黑谷上人自解の發明よりあらはる。於戲兩
Z08_0105B14: 祖の出世なかりせば。法藏菩薩の大悲願海。たれかそ
Z08_0105B15: の底をかたふくることを得んや。われらが此生の往
Z08_0105B16: 生は。しかしながらかの御恩德なり。身をくだきても
Z08_0105B17: なんぞ酬ふにたらん。●(九一)我等すでに念佛の行者
Z08_0105B18: なり。よろこぶべし〱。●(九二)すでに大悲の御手
Z08_0105B19: より。垂れたまふ本願の竿なり。その名號の鉤をふくめ
Z08_0105B20: る我等なれば。餘佛の御手にも入べからず。魔王の手

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