浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0105A01: | るなりと侍る。こ〻に相てらしてみるべし。首尾よく |
Z08_0105A02: | 符合せり。つたなしとは。根鈍障重の義なり。をろかな |
Z08_0105A03: | りとは。劣弱の義なり。いやしとは。念佛の數もすく |
Z08_0105A04: | なく。妄念もまじはり。すべて勇猛ならぬ事なり。● |
Z08_0105A05: | (八八)此度の往生は。一向に佛の御力なり。助給南無 |
Z08_0105A06: | 阿彌陀佛と申ばかりを。しゐて我等が行因と名付て。 |
Z08_0105A07: | たやすく攝取し給ふなり。是ほどの取柄だにあれば。 |
Z08_0105A08: | 因果のことはりにもそむかずして往生す。是を他力 |
Z08_0105A09: | の出離とはいふなり。たとへにあはせてしるべし。○ |
Z08_0105A10: | 弘決ニ云ク。媒ハ者和合之主ナリ。已上●(八九)わづかに釣 |
Z08_0105A11: | 針をのめば。やがて水を出るが如く。た▲本願にだに |
Z08_0105A12: | もすがれば。決定往生すべきなり。なずらへてみんと |
Z08_0105A13: | は。よそへておもひあはすべしとなり。上人云ク。念佛は |
Z08_0105A14: | 佛の本願なるがゆへに。願力にすがりて往生する事 |
Z08_0105A15: | はやすし。已上○此問答は。願文の若不生者。不取正覺の |
Z08_0105A16: | 二句に就て來るゆへ。爰に此詞を入てむすび給ふな |
Z08_0105A17: | り。●(九〇)上卷ニ云ク。しかるをよのつねの人のおも |
Z08_0105A18: | はくは。かひなく。た▲をのが心ざし。をのが行の功 |
Z08_0105A19: | にて。むまれんずるやうに心えて。ひたすら佛の御ち |
Z08_0105A20: | からとのみはおもはぬこそ。おほけなき事にて侍れ。 |
Z08_0105B01: | さるほどに。す▲ろに心行も不足に覺て。往生もうた |
Z08_0105B02: | がはしげなり。これしかしながら。他力のいはれをお |
Z08_0105B03: | もひわかぬゆへなり云云。ならふとは。私にあらざる |
Z08_0105B04: | 事をしるす。法然上人より。代々ならひつとふるとこ |
Z08_0105B05: | ろなり。他宗の人は。此他力のいはれをしらず。や〻 |
Z08_0105B06: | もすれば。行者の心行にと▲こほりて。往生をうたが |
Z08_0105B07: | ふなり。これ宗の故實をしらぬゆへなり。又これ智解 |
Z08_0105B08: | 淺短にして。彌陀の智願海の涯底なき理をわきまへ |
Z08_0105B09: | ぬゆへなり。抱朴子ニ曰ク。何ソ異ラン下以二一尋之綆ヲ一。汲ンテ二 |
Z08_0105B10: | 百仭之深キヲ一。不M(シテ)レ覺二所ノレ用ル之短ヿヲ一。而云フニ中井ニ之 |
Z08_0105B11: | 無ト上レ水也。又曰。所レ謂以レ指ヲ測ルニレ海ヲ。指極テ而云フ二水 |
Z08_0105B12: | 盡タリト一者也。已上○そも〱これらの趣は。光明大師己 |
Z08_0105B13: | 證の妙釋。黑谷上人自解の發明よりあらはる。於戲兩 |
Z08_0105B14: | 祖の出世なかりせば。法藏菩薩の大悲願海。たれかそ |
Z08_0105B15: | の底をかたふくることを得んや。われらが此生の往 |
Z08_0105B16: | 生は。しかしながらかの御恩德なり。身をくだきても |
Z08_0105B17: | なんぞ酬ふにたらん。●(九一)我等すでに念佛の行者 |
Z08_0105B18: | なり。よろこぶべし〱。●(九二)すでに大悲の御手 |
Z08_0105B19: | より。垂れたまふ本願の竿なり。その名號の鉤をふくめ |
Z08_0105B20: | る我等なれば。餘佛の御手にも入べからず。魔王の手 |