浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0106A01: | にも入べからず。また六道にもかへるべからず。た▲ |
Z08_0106A02: | 阿彌陀佛の攝取の御手に入べし。しからば極樂の外 |
Z08_0106A03: | は。何國へかしりぞくべきや。決定して往生すべきも |
Z08_0106A04: | のなり。まかりとは。日本紀に退の字なり。●(九三) |
Z08_0106A05: | さても我等過去遠々より以來。廿五有の昇沈は轆轤 |
Z08_0106A06: | のごとし。未來永々六道の流轉さだまれる趣なく。す |
Z08_0106A07: | べて生々の先をしらず。さらに世々の終をわきまへ |
Z08_0106A08: | ず。生死悠々として。停止の期なかりし身なるに。此 |
Z08_0106A09: | たびか〻る御法にあひて。たやすく三界を出離せん |
Z08_0106A10: | 事は。多生曠劫のよろこびなり。まことに始あるもの |
Z08_0106A11: | は終あり。此度が生死の身のかぎりなるをや。○期は |
Z08_0106A12: | 說文ニ云ク。復二其時ニ一也。廣韻ニ云ク。限也。玉篇ニ云ク。時 |
Z08_0106A13: | 也。已上拾因ニ云ク。若不ンハレ生二淨土ニ一。不レ遇ハ二十念ノ願ニ一。 |
Z08_0106A14: | 今者已ニ得タリレ値ヿヲ。知ヌ往生ノ時至レルヿ。已上●(九四)禪 |
Z08_0106A15: | 林ノ云ク。生死ニ有レ終。今生ヲ爲シ二穢土之終ト一。菩提ニ有レ |
Z08_0106A16: | 始。後世ヲ爲〓二淨土之始ト一。已上古德ノ云ク。以二此ノ身ヲ一爲ニ二 |
Z08_0106A17: | 生死ノ終ト一。以二順次ヲ一爲ン二不退ノ始ト一。已上拾玉集の歌に。 |
Z08_0106A18: | 此度をかきりにはせんとおもふかな。身もうけかた |
Z08_0106A19: | く法もえかたし。靈芝ノ曰ク。薄地ノ凡夫。業惑ニ纒縛セラレ |
Z08_0106A20: | 流二-轉スルヿ五道ニ一。百千萬劫ナリ。忽ニ聞テ二淨土ヲ一志願スレハ。一 |
Z08_0106B01: | 日ノ稱名ニM(シテ)。卽超ヘ二彼國ニ一。諸佛ヨリ護念セラレテ直ニ趣ク二菩 |
Z08_0106B02: | 提ニ一。可レ謂。萬劫難クレ逢ヒ。千生ニ一ヒ遇ヘリ。誓フ從二今日一。 |
Z08_0106B03: | 終リ盡シテ二未來ヲ一。在處ニ稱揚シ多方ニ勸誘セン云云。●(九五) |
Z08_0106B04: | 言不レ敢と書くなり。涙にむせび入て。ものをいひ得ぬ |
Z08_0106B05: | 事なり。●(九六)陸士衡カ挽歌ニ云ク。含テレ言ヲ言哽咽ス。揮レ |
Z08_0106B06: | 涕ヲ涕流離タリ。已上●(九七)已下は抄主。仰信加歎の御 |
Z08_0106B07: | 詞なり。われ佛法の道理に。無案內の身なれども。そ |
Z08_0106B08: | の感涙の氣色に催されて。その說法もたのもしく。老 |
Z08_0106B09: | 僧も殊勝におぼしめしけるとなり。○古人有レ言ルヿ。 |
Z08_0106B10: | 讀テ二諸葛孔明カ出師ノ表ヲ一。不ルレ下サレ涙ヲ者ハ。是レ人必不 |
Z08_0106B11: | 忠ナラン。讀テ二李密カ陳情ノ表ヲ一。不レ下レ涙ヲ者ハ。是ノ人必不 |
Z08_0106B12: | 孝ナラン。已上これみな仁愛の心なく。つれなき人なるべし。 |
Z08_0106B13: | 今念佛の行者。この抄をよみても。なをざりにして心 |
Z08_0106B14: | にいらず。つれなくしてなみだをおとさぬものは。き |
Z08_0106B15: | はめて無道心の人なり。無智の人なり。邪見の人なり。 |
Z08_0106B16: | 高慢の人なり。是を枯槁の衆生となづく。いかに後世 |
Z08_0106B17: | 者といはる〻共。此抄を信ぜずは。その心木石なるべ |
Z08_0106B18: | し。たとひすみぞめのそでながくとも。此抄をよみて |
Z08_0106B19: | 感ぜぬ人は。その心鬼なるべし。嗚呼かなしきかな。出 |
Z08_0106B20: | 離の徑路ちかく此抄にあり。よまず信ぜざるは。げに |