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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0106A01: にも入べからず。また六道にもかへるべからず。た▲
Z08_0106A02: 阿彌陀佛の攝取の御手に入べし。しからば極樂の外
Z08_0106A03: は。何國へかしりぞくべきや。決定して往生すべきも
Z08_0106A04: のなり。まかりとは。日本紀に退の字なり。●(九三)
Z08_0106A05: さても我等過去遠々より以來。廿五有の昇沈は轆轤
Z08_0106A06: のごとし。未來永々六道の流轉さだまれる趣なく。す
Z08_0106A07: べて生々の先をしらず。さらに世々の終をわきまへ
Z08_0106A08: ず。生死悠々として。停止の期なかりし身なるに。此
Z08_0106A09: たびか〻る御法にあひて。たやすく三界を出離せん
Z08_0106A10: 事は。多生曠劫のよろこびなり。まことに始あるもの
Z08_0106A11: は終あり。此度が生死の身のかぎりなるをや。○期は
Z08_0106A12: 說文(カヘル)其時也。廣韻。限也。玉篇。時
Z08_0106A13: 也。已上拾因。若不ンハ淨土。不十念
Z08_0106A14: 今者已タリヿヲ。知往生時至レルヿ已上●(九四)禪
Z08_0106A15: 。生死終。今生穢土之終。菩提
Z08_0106A16: 始。後世淨土之始已上古德。以
Z08_0106A17: 生死。以順次不退已上拾玉集の歌に。
Z08_0106A18: 此度をかきりにはせんとおもふかな。身もうけかた
Z08_0106A19: く法もえかたし。靈芝。薄地凡夫。業惑纒縛セラレ
Z08_0106A20: -轉スルヿ五道。百千萬劫ナリ。忽淨土志願スレハ。一
Z08_0106B01: 稱名ニM(シテ)。卽超彼國。諸佛ヨリ護念セラレテ
Z08_0106B02: 。可謂。萬劫難。千生ヘリ。誓今日
Z08_0106B03: シテ未來。在處稱揚多方勸誘セン云云。●(九五)
Z08_0106B04: 言不敢と書くなり。涙にむせび入て。ものをいひ得ぬ
Z08_0106B05: 事なり。●(九六)陸士衡挽歌。含言哽咽。揮
Z08_0106B06: 涕流離タリ已上●(九七)已下は抄主。仰信加歎の御
Z08_0106B07: 詞なり。われ佛法の道理に。無案內の身なれども。そ
Z08_0106B08: の感涙の氣色に催されて。その說法もたのもしく。老
Z08_0106B09: 僧も殊勝におぼしめしけるとなり。○古人有レ言ルヿ
Z08_0106B10: 諸葛孔明出師。不。是人必不
Z08_0106B11: ナラン。讀李密陳情。不。是人必不
Z08_0106B12: ナラン已上これみな仁愛の心なく。つれなき人なるべし。
Z08_0106B13: 今念佛の行者。この抄をよみても。なをざりにして心
Z08_0106B14: にいらず。つれなくしてなみだをおとさぬものは。き
Z08_0106B15: はめて無道心の人なり。無智の人なり。邪見の人なり。
Z08_0106B16: 高慢の人なり。是を枯槁の衆生となづく。いかに後世
Z08_0106B17: 者といはる〻共。此抄を信ぜずは。その心木石なるべ
Z08_0106B18: し。たとひすみぞめのそでながくとも。此抄をよみて
Z08_0106B19: 感ぜぬ人は。その心鬼なるべし。嗚呼かなしきかな。出
Z08_0106B20: 離の徑路ちかく此抄にあり。よまず信ぜざるは。げに

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