浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0045A01: | 身をくだきてもむくひがたければ。誓をたて〻かの |
Z08_0045A02: | 國にうまれて後。いくたびも淨土に立かへりて。衆生 |
Z08_0045A03: | る濟度し。慈悲心きはまりなく。未來際をつくして。如 |
Z08_0045A04: | 來大悲の恩德を。むくひたてまつらんとの心なり。● |
Z08_0045A05: | (九五)さうなくては。何として此恩を報ぜんやとて。 |
Z08_0045A06: | こゑもわな〻き。うらなみだぐみて。くどきたてらる |
Z08_0045A07: | るけしき。道心。色にあらはれ。至誠。人を感ぜしむ。い |
Z08_0045A08: | かに無道心の。しづ山がつまでも。感じ入べしとをし |
Z08_0045A09: | はからる〻なり。○つれなきとは。色もかはらぬ事な |
Z08_0045A10: | り。心のおれぬかたなり。つれなき松にふく嵐といふ |
Z08_0045A11: | おなじ心なり。○上卷こ〻にをはりぬ。 |
Z08_0045A12: | 歸命本願鈔中本諺註 |
Z08_0045A13: | 修行者又問ていはく。(一)本願に至心信樂欲生我國 |
Z08_0045A14: | といふは。ひろくいへば三心なり。要をと(取)ればた |
Z08_0045A15: | すけ給への一念にた(足)りぬとの給(宣)ひつる。(二) |
Z08_0045A16: | その三心とはいかなる心にて侍るぞ。などてか又。た |
Z08_0045A17: | すけ給へとおもふ一念にはた(足)るべからん。くはし |
Z08_0045B01: | くかたら(談)ひ給ひなんやといへば。(三)老僧のいは |
Z08_0045B02: | く。よくと(問)ひ給ひたり。(四)す〻(進)みても申た |
Z08_0045B03: | かりつるに。(五)これなん往生の大事にて侍るべし。 |
Z08_0045B04: | (六)そのゆへは。(七)經には三心をぐ(具)するもの。か |
Z08_0045B05: | ならずかの國にうまると〻(說)き。(八)釋には。も |
Z08_0045B06: | し一心もかけぬれば。うまる〻事をえずといひて。(九) |
Z08_0045B07: | そのお(イを)もむき。いるがせ(忽)なるまじきごと |
Z08_0045B08: | くみえたり。(一〇)されば念佛するもの〻中に。往生 |
Z08_0045B09: | をとげぬが侍るは。一心もかけにけるにこそ。(一一) |
Z08_0045B10: | 三をぐ(具)したらんもの〻。うまれぬはあるまじき |
Z08_0045B11: | 事なり。(一二)その三心といふは。(一三)一には至誠 |
Z08_0045B12: | 心。(一四)二には深信。(一五)三には廻向發願心。(一六) |
Z08_0045B13: | 一には至誠心といふは。眞實の心と釋して。虛假(イツハリ) |
Z08_0045B14: | の心をいましめたり。(一七)念佛せんに。まことしき |
Z08_0045B15: | 心ありて。(一八)いつはる心なかれとなり。(一九)た |
Z08_0045B16: | とへば人の心には。さまでもおもはぬ事なれども。こ |
Z08_0045B17: | とばにはおもふよしにいふを。まことなきいつはり |
Z08_0045B18: | とは申すやうに。念佛せん人の心も。このなずら(准) |
Z08_0045B19: | へにしられぬべし。(二〇)心のうちには。往生の事ま |
Z08_0045B20: | でも思ひいれずながら。なべてこのごろの世のしき |