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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0045A01: 身をくだきてもむくひがたければ。誓をたて〻かの
Z08_0045A02: 國にうまれて後。いくたびも淨土に立かへりて。衆生
Z08_0045A03: る濟度し。慈悲心きはまりなく。未來際をつくして。如
Z08_0045A04: 來大悲の恩德を。むくひたてまつらんとの心なり。●
Z08_0045A05: (九五)さうなくては。何として此恩を報ぜんやとて。
Z08_0045A06: こゑもわな〻き。うらなみだぐみて。くどきたてらる
Z08_0045A07: るけしき。道心。色にあらはれ。至誠。人を感ぜしむ。い
Z08_0045A08: かに無道心の。しづ山がつまでも。感じ入べしとをし
Z08_0045A09: はからる〻なり。○つれなきとは。色もかはらぬ事な
Z08_0045A10: り。心のおれぬかたなり。つれなき松にふく嵐といふ
Z08_0045A11: おなじ心なり。○上卷こ〻にをはりぬ。
Z08_0045A12: 歸命本願鈔中本諺註
Z08_0045A13: 修行者又問ていはく。(一)本願に至心信樂欲生我國
Z08_0045A14: といふは。ひろくいへば三心なり。要をと(取)ればた
Z08_0045A15: すけ給への一念にた(足)りぬとの給(宣)ひつる。(二)
Z08_0045A16: その三心とはいかなる心にて侍るぞ。などてか又。た
Z08_0045A17: すけ給へとおもふ一念にはた(足)るべからん。くはし
Z08_0045B01: くかたら(談)ひ給ひなんやといへば。(三)老僧のいは
Z08_0045B02: く。よくと(問)ひ給ひたり。(四)す〻(進)みても申た
Z08_0045B03: かりつるに。(五)これなん往生の大事にて侍るべし。
Z08_0045B04: (六)そのゆへは。(七)經には三心をぐ(具)するもの。か
Z08_0045B05: ならずかの國にうまると〻(說)き。(八)釋には。も
Z08_0045B06: し一心もかけぬれば。うまる〻事をえずといひて。(九)
Z08_0045B07: そのお(を)もむき。いるがせ(忽)なるまじきごと
Z08_0045B08: くみえたり。(一〇)されば念佛するもの〻中に。往生
Z08_0045B09: をとげぬが侍るは。一心もかけにけるにこそ。(一一)
Z08_0045B10: 三をぐ(具)したらんもの〻。うまれぬはあるまじき
Z08_0045B11: 事なり。(一二)その三心といふは。(一三)一には至誠
Z08_0045B12: 心。(一四)二には深信。(一五)三には廻向發願心。(一六)
Z08_0045B13: 一には至誠心といふは。眞實の心と釋して。虛假(イツハリ
Z08_0045B14: の心をいましめたり。(一七)念佛せんに。まことしき
Z08_0045B15: 心ありて。(一八)いつはる心なかれとなり。(一九)た
Z08_0045B16: とへば人の心には。さまでもおもはぬ事なれども。こ
Z08_0045B17: とばにはおもふよしにいふを。まことなきいつはり
Z08_0045B18: とは申すやうに。念佛せん人の心も。このなずら(准)
Z08_0045B19: へにしられぬべし。(二〇)心のうちには。往生の事ま
Z08_0045B20: でも思ひいれずながら。なべてこのごろの世のしき

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