浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0044A01: | は。か〻るあさましきわが身なるぞ。たすけ給へ南無 |
Z08_0044A02: | 阿彌陀佛と申事なり。べかンんめるもの。もの字は。付 |
Z08_0044A03: | 字なり。夫木わが肱を枕にしつ〻おもふ哉。げにたの |
Z08_0044A04: | しみはこれにすぎしも。●(八九)善惡の二念前後に |
Z08_0044A05: | まじはりて。罪ををかしつれば。やがて懺悔し。懺悔 |
Z08_0044A06: | してまたをかせば。また懺悔念佛するを。隨犯隨懺の |
Z08_0044A07: | 念佛といふなり。此事往生體讚より出たり云云。○隨 |
Z08_0044A08: | 犯隨懺の名目は。心地觀經に有。●(九〇)罪業の垢す |
Z08_0044A09: | でにつきて。その身きよかるべし。○三千佛名經ニ云ク。 |
Z08_0044A10: | 我カ身ニ二ノ障アリ。罪垢穢スレ身ヲ。絕テ二千百劫ヲ一。雖レ洗ト難レ淨M(シテ)。 |
Z08_0044A11: | 乃至唯有二禮懺極淸水ノミ耳一。猶可レ洗フ二我罪業ノ垢ヲ一。已上 |
Z08_0044A12: | ●(九一)善惡さだまりなく。因緣もとより空なり。惡 |
Z08_0044A13: | をおこす時は惡人。善を修すれば善人なり。平生念佛 |
Z08_0044A14: | の功にて。日頃の罪を滅したれば。臨終の時。來迎の佛。 |
Z08_0044A15: | 善男子とほめ給ふなり。觀經上下品ノ文ニ云。爾ノ時。彼ノ |
Z08_0044A16: | 佛卽遣二化佛化觀世音化大勢至ヲ一。至テ二行者ノ前ニ一。讚M(シテ)言ク。 |
Z08_0044A17: | 善男子。汝稱スルカ二佛名ヲ一故ニ。諸罪消滅シ。我來テ迎フレ汝。已上 |
Z08_0044A18: | 傳通記ニ云ク善男子ト者。當品之人。雖二惡人ナリト一。廻心念 |
Z08_0044A19: | 佛スレハ。則滅スルカ二惡障ヲ一故ニ。讚M(シテ)云レ善ト。已上●(九二)是よ |
Z08_0044A20: | り此卷の摠結なり。十方衆生の句に付て。下機得脫の |
Z08_0044B01: | 佛恩を歎ずるなり。さてもなどは。感歎の詞なり。わが |
Z08_0044B02: | 身に引うけてみれば。しみ〲とかたじけなきなり。 |
Z08_0044B03: | 過現の善根うすく。値佛の因業うとき者を。福薄因疎 |
Z08_0044B04: | といふ。その心をろかにして。修行の功あさきを。識癡 |
Z08_0044B05: | 行淺といふ。すみやかにとは。摠じて聖道門は。その |
Z08_0044B06: | 惑障をのぞきて。實理をあらはすがゆへに。三生六十 |
Z08_0044B07: | 劫ををくり。四生百劫をつむなるに。念佛の行者は。 |
Z08_0044B08: | わづかに一形十念の功にて。臨終の一刹那に。往生す |
Z08_0044B09: | るがゆへに。すみやかといふなり。あとをさくるとは。 |
Z08_0044B10: | ふた〻び此世界に。まよひかへらぬといふ義なり。淨 |
Z08_0044B11: | 域は淨土なり。○西方要決ニ云ク。親ク逢ヘルハ二聖化一。道 |
Z08_0044B12: | 悟リキ二三乘ヲ一。福薄ク因疎ナルモノ。勸テ歸二淨土ニ一。已上又云ク。人 |
Z08_0044B13: | 天ノ兩位ハ。躁動M(シテ)不レ安カラ。智博ク情弘キハ。能ク堪タリ二久ク |
Z08_0044B14: | 處スルニ一。若シ也識癡カニ行淺キハ。恐クハ溺レナン二幽塗ニ一。必ス須ク下 |
Z08_0044B15: | 遠リ二跡ヲ娑婆ニ一。栖マシム中神ヲ淨域ニ上。已上靈芝ノ云ク。娑婆ハ亦ハ |
Z08_0044B16: | 云二索訶ト一。此ニハ翻ス二堪忍ト一。悲華經ニ云ク。是諸ノ衆生。忍二 |
Z08_0044B17: | 受カ三毒及諸ノ煩煩ヲ一故ニ。已上●(九三)生々世々。劫をか |
Z08_0044B18: | さねても。いかでか此大悲の恩德を報謝しつくさん |
Z08_0044B19: | や。○記主上人ノ云ク。曠ハ猶レ懸也。已上列子ノ註ニ云ク。曠ハ |
Z08_0044B20: | 遠也。已上●(九四)是は法事讚の文なり。本願の御恩は。 |