浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0043A01: | どはす。佛の御いましめなり。初心の行者。か〻る人 |
Z08_0043A02: | にまじはりなば。自然に名聞者になるべし。西方の行 |
Z08_0043A03: | 者は。念佛これ本なり。その餘の事はみな末なり。とて |
Z08_0043A04: | もかくてもありなん。た▲大樣にして人目にた〻ず。 |
Z08_0043A05: | 邪見のふるまひをせず。やすくすなほなるべし。いは |
Z08_0043A06: | ゆる遠山の紅葉。野邊の一樹は。道人のいむところな |
Z08_0043A07: | り。た▲し眞實に慚愧ありて。自然に威儀をた▲しく |
Z08_0043A08: | せん人は。此かぎりにあらず。今は羊質虎皮の漢をい |
Z08_0043A09: | ましむるなり。●(八四)すでに此五濁惡世にうまれた |
Z08_0043A10: | る薄地の凡夫なり。罪業は無始よりのならひなれば。 |
Z08_0043A11: | くせとなりて。たちゐにと▲まりがたし。五濁は。劫。見。 |
Z08_0043A12: | 煩惱。衆生。命濁なり。四儀は行住坐臥の四威儀なり。 |
Z08_0043A13: | 鎌倉宗要ニ云ク。爲二凡夫癖一。被レ行二惡業ヲ一。已上○序分義ニ |
Z08_0043A14: | 云ク。言二劫濁ト一。者。然シ劫ハ實ニ非二是レ濁ニ一。當テ二劫減ノ時〓一。諸 |
Z08_0043A15: | 惡加增スル也。言二衆生濁ト一者。劫若初テ成レハ。衆生純善ナリ。 |
Z08_0043A16: | 劫若シ末ナル時ハ。衆生ノ十惡彌〻盛也。言二見濁一者。自身ノ |
Z08_0043A17: | 衆惡。摠テ變M(シテ)爲レ善ト。他ノ上ニ無キヲレ非見テ爲二不見ト一也。言二 |
Z08_0043A18: | 煩惱濁一者。當今劫末ノ衆生。惡性ニM(シテ)難シレ親ミ。隨テ附M(シテ)二六 |
Z08_0043A19: | 根ニ一。貪瞋競ヒ起ル也。言二命濁一者。由テ二前見惱二濁ニ一。多ク |
Z08_0043A20: | 行シ二殺害ヲ一無レ慈二恩養一。旣ニ行M(シテ)二斷命之苦因一。欲レ受二長年 |
Z08_0043B01: | 之果ヲ一者。何ニ由テ可キレ得也。然ニ濁ト者。體非ス二是レ善ニ一。今 |
Z08_0043B02: | 略M(シテ)指二五濁ノ義ヲ一竟。已上●(八五)たま〱善心のおこ |
Z08_0043B03: | る事あれども。三毒の煩惱つねにおこりて。わづかの |
Z08_0043B04: | 善心は。やがて消散するなり。○序分義ニ云ク。貪二-求シ五 |
Z08_0043B05: | 欲ヲ一。相續M(シテ)是レ常ナリ。縱ヒ發𪜈二淸キ心ヲ一。猶ヲ如シレ畫クカレ水ニ。已上 |
Z08_0043B06: | 𣵀槃經ニ云ク。譬ハ如ハレ畫クカレ石ニ。其ノ文常ニ有リ。畫ケハレ水ニ |
Z08_0043B07: | 速ニ滅M(シテ)。勢不二久ク住ラ一。瞋ハ如シレ畫クレ石ニ。諸ノ善根ハ。本 |
Z08_0043B08: | 如シ二彼ノ畫ク一レ水ニ。已上●(八六)みなもとをふさがざれ |
Z08_0043B09: | ば。そのながれたゆることなし。身口の罪業は。意の |
Z08_0043B10: | 煩惱よりおこる。すでに一毫未斷の凡夫なり。なんぞ罪 |
Z08_0043B11: | をやめんや。○法界次第ニ云ク。煩ハ云ク。以二喧煩ヲ一爲レ義ト。 |
Z08_0043B12: | 惱ハ以二逼亂ヲ一爲レ義ト。喧煩之法。逼二-亂ス行者ノ心神ヲ一等。 |
Z08_0043B13: | 已上貞觀政要ニ云ク。流水ノ淸濁ハ。在リ二其ノ源ニ一也。猶キハ三 |
Z08_0043B14: | 源濁テ而望カ二水ノ淸ヿヲ一。理不レ可レ得。已上●(八七)た▲正見 |
Z08_0043B15: | になりて放逸ならざれといふまでの。いましめなり。 |
Z08_0043B16: | そのうへ罪をおそるれば。たすけ給への心もす〻む |
Z08_0043B17: | なり。●(八八)念じかねては。堪忍しかねてなり。おも |
Z08_0043B18: | ひかねてといふべきを。こゑにいふ事は。心をつよく |
Z08_0043B19: | いはんためなりとぞ。伊勢物語にも此詞あり。あやま |
Z08_0043B20: | りとは。心ならず罪をつくる事なり。○それぞかしと |