浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0046A01: | (式)なるを。いか▲うたてうとおもひて申人も侍る |
Z08_0046A02: | らむ。(二一)もしは又。身のすてがたきま〻には。世わ |
Z08_0046A03: | たるはし(橋)にとなして。となふるものもありぬべ |
Z08_0046A04: | し。(二二)これらはみな。心は名利のかたにおもむき |
Z08_0046A05: | て。行は往生を心ざすよしなり。(二三)か〻るは虛假 |
Z08_0046A06: | にいつはれる念佛なるべし。(二四)た▲心に往生が |
Z08_0046A07: | したければ。くちに南無阿彌陀佛と申さる〻こそ。眞 |
Z08_0046A08: | 實にまことなる念佛にては侍れ。(二五)たとへば何 |
Z08_0046A09: | 事も。かざりたる世のなかに。人のゆ(湯)のほし(欲) |
Z08_0046A10: | き。水のほし(欲)きといふのみぞ。いつはらぬ事にて |
Z08_0046A11: | 侍らむ。いさ〻かにても。ほしき心のなきほどは。こ |
Z08_0046A12: | (乞)はれぬ事にてあれば。そのほしき心に。こきう |
Z08_0046A13: | すきはありとも。こ(乞)ふことば(語)は。みなま |
Z08_0046A14: | こと(誠)なるべし。(二六)後世にむけても。かくこ |
Z08_0046A15: | そありたけれ。(二七)すこしにても。往生が。げにし |
Z08_0046A16: | たくおぼえて。南無阿彌陀佛と〻なへんは。そのねが |
Z08_0046A17: | ふ心に。ふかきあさきはありとも。申さん念佛は。み |
Z08_0046A18: | なまことなるべし。(二八)こ〻ろざしふかくは。上品 |
Z08_0046A19: | に生れ。あさくは。下品にこそくだるとも。みな往生 |
Z08_0046A20: | の埓のうちには入ぬる也。(二九)その下品にうまる |
Z08_0046B01: | る程のまことは。よ(世)にやすき事なるべし。(三〇)ゆ |
Z08_0046B02: | めゆめ往生をかた(難)くはおもふべからず。(三一) |
Z08_0046B03: | されども人の心。すなほ(直質)ならぬより。やすき念 |
Z08_0046B04: | 佛にくせ(癖)もつきぬるこそ。返々ほいなくおぼゆ |
Z08_0046B05: | れ。(三二)人ごとにつくろはぬ心にて。た▲ありに申 |
Z08_0046B06: | す念佛ならば。みな往生はしてんかし。(三三)凡夫の |
Z08_0046B07: | ならひなれば。この世さまの事こそあらめ。往生の方 |
Z08_0046B08: | ばかりはねん(念)じて。さな(然勿)侍りそかし。(三四) |
Z08_0046B09: | 二に深信といふは。ふかく信ずる心なりと釋して。往 |
Z08_0046B10: | 生な(勿)うたがひそといましむる也。(三五)これに |
Z08_0046B11: | つきて二の信あり。(三六)一には。自身は現にこれ罪 |
Z08_0046B12: | 惡生死の凡夫。曠劫よりこのかた。つねに沒し。つね |
Z08_0046B13: | に流轉して。出離の緣あることなしと信じ。(三七)二 |
Z08_0046B14: | には。かの阿彌陀佛。四十八願をも(以)て。衆生を攝取 |
Z08_0046B15: | したまへば。うたがひなく。うらおも(慮)ひなく。か |
Z08_0046B16: | の願力に乘じて。さだめて往生することをえんと信 |
Z08_0046B17: | ぜよといへり。(三八)いまこの二の信のおもむきは。苦 |
Z08_0046B18: | 海常沒の身にして。出離の緣もなき我らぞかしと。ひ |
Z08_0046B19: | たすら(一向)自力のかけたる事をしらせて。(三九) |
Z08_0046B20: | されども。彌陀の本願によりて。うたがひなく。往生 |