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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0039A01: ちの北郡といふ處にて。善光寺の如來を安置して。不
Z08_0039A02: 斷念佛をはじめけるに。律僧と凡俗といづれにて念
Z08_0039A03: 佛申べきと。おもひわづらひける夜。律僧の夢に。黑衣
Z08_0039A04: の僧きたりて。「いせじまやきよきながれはさてもあ
Z08_0039A05: れ。われはにごれる水にやどらん」と。しめし給ひける
Z08_0039A06: と云云。此事。夫木抄三十四に有。又玉葉集第十九に
Z08_0039A07: 載たり。善光寺緣起第四につまびらかなり歌の詞三箇處おの〱
Z08_0039A08: 相違す。是にてしるべし。佛の御心にかなへることを。
Z08_0039A09: ●(五一)佛のちかひの詞には。十方衆生とのたまひ
Z08_0039A10: つれども。御心ざしは我等を本として。目がけ給へる
Z08_0039A11: 本願なり。されば彌陀の本願は。もとよりわれらがも
Z08_0039A12: のにてこそあれ。案內をしらぬゆへに。身を本願にま
Z08_0039A13: かせかねて。本願のよそなるものになるは。わが心が
Z08_0039A14: らなり。●(五二)かくの如くにては。●(五三)我等が
Z08_0039A15: 申念佛も。往生の業とやならんと。あぶな〱申念佛
Z08_0039A16: なれば。罪もきえがたく。功德を得がたし。又われら
Z08_0039A17: が方より外樣になりて。佛の御心にかなはじとのみ隔
Z08_0039A18: 心すれば。彌陀如來にもとをざかり。うと〱しくな
Z08_0039A19: るなり。●(五四)此一句は善導大師の御語なり。法事
Z08_0039A20: 。人能スレハ佛還シ玉フ。專心ヘハ
Z08_0039B01: 玉フ口念彌陀。名爲念佛。心緣所歸。名爲想佛○したしきおもひと
Z08_0039B02: は。親緣の釋の心なりこのことは西要抄に註すべし。○是は心のした
Z08_0039B03: しみ。下は身のちかき事なり。●(五五)わが方より。隔
Z08_0039B04: 心して見佛の障となるなり。●(五六)法事讚。淨
Z08_0039B05: 莊嚴諸聖衆。籠々トM(シテ)マス行人已上佛は
Z08_0039B06: つねにわが前にましませども。煩惱の雲たちかくし
Z08_0039B07: て見たてまつらず。もしみることあれば。陰雲の月を
Z08_0039B08: こめたる如く。おぼろ〱として見へ給ふなり。○ち
Z08_0039B09: かきたのみとは。近緣の釋の心なり。定善義。衆生
Z08_0039B10: スレハント。卽應M(シテ)現在。故近緣
Z08_0039B11: 也。已上●(五七)雲棲云。至心念佛一聲。滅八十億劫
Z08_0039B12: 生死重罪。所以者何。至心故也。若匪レハ至心。罪
Z08_0039B13: 則不滅。已上。三增上緣。衆生稱念スレハ。卽除
Z08_0039B14: 。命欲終時。佛聖衆。自來迎接シ玉已上●(五八)
Z08_0039B15: 此句も右の以下の句なり。法事讚。行者見已
Z08_0039B16: 歡喜。終時從金蓮已上○ほいは本意なり。
Z08_0039B17: ●(五九)前をむすぶなり。右の重々。みなあさましき
Z08_0039B18: 事なり。●(六〇)下卷。われらをみちびき給ふべ
Z08_0039B19: き。佛の御方便は。もとより。した〻めまうけられた
Z08_0039B20: るを。た▲衆生のかたより。あやぶみて。身を本願にま

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