浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0039A01: | ちの北郡といふ處にて。善光寺の如來を安置して。不 |
Z08_0039A02: | 斷念佛をはじめけるに。律僧と凡俗といづれにて念 |
Z08_0039A03: | 佛申べきと。おもひわづらひける夜。律僧の夢に。黑衣 |
Z08_0039A04: | の僧きたりて。「いせじまやきよきながれはさてもあ |
Z08_0039A05: | れ。われはにごれる水にやどらん」と。しめし給ひける |
Z08_0039A06: | と云云。此事。夫木抄三十四に有。又玉葉集第十九に |
Z08_0039A07: | 載たり。善光寺緣起第四につまびらかなり歌の詞三箇處おの〱 |
Z08_0039A08: | 相違す。是にてしるべし。佛の御心にかなへることを。 |
Z08_0039A09: | ●(五一)佛のちかひの詞には。十方衆生とのたまひ |
Z08_0039A10: | つれども。御心ざしは我等を本として。目がけ給へる |
Z08_0039A11: | 本願なり。されば彌陀の本願は。もとよりわれらがも |
Z08_0039A12: | のにてこそあれ。案內をしらぬゆへに。身を本願にま |
Z08_0039A13: | かせかねて。本願のよそなるものになるは。わが心が |
Z08_0039A14: | らなり。●(五二)かくの如くにては。●(五三)我等が |
Z08_0039A15: | 申念佛も。往生の業とやならんと。あぶな〱申念佛 |
Z08_0039A16: | なれば。罪もきえがたく。功德を得がたし。又われら |
Z08_0039A17: | が方より外樣になりて。佛の御心にかなはじとのみ隔 |
Z08_0039A18: | 心すれば。彌陀如來にもとをざかり。うと〱しくな |
Z08_0039A19: | るなり。●(五四)此一句は善導大師の御語なり。法事 |
Z08_0039A20: | 讚ニ云ク。人能ク念スレハレ佛ヲ佛還テ念シ玉フ。專心ニ想ヘハレ佛ヲ佛 |
Z08_0039B01: | 知玉フレ人ヲ。記ニ云ク口念二彌陀一。名爲二念佛一。心緣二所歸一。名爲二想佛一。○したしきおもひと |
Z08_0039B02: | は。親緣の釋の心なりこのことは西要抄に註すべし。○是は心のした |
Z08_0039B03: | しみ。下は身のちかき事なり。●(五五)わが方より。隔 |
Z08_0039B04: | 心して見佛の障となるなり。●(五六)法事讚ニ云ク。淨 |
Z08_0039B05: | 土ノ莊嚴諸ノ聖衆。籠々トM(シテ)常ニ在マス二行人ノ前ニ一。已上佛は |
Z08_0039B06: | つねにわが前にましませども。煩惱の雲たちかくし |
Z08_0039B07: | て見たてまつらず。もしみることあれば。陰雲の月を |
Z08_0039B08: | こめたる如く。おぼろ〱として見へ給ふなり。○ち |
Z08_0039B09: | かきたのみとは。近緣の釋の心なり。定善義ニ云ク。衆生 |
Z08_0039B10: | 願スレハレ見ントレ佛ヲ。卽應M(シテ)レ念ニ現在ス二目ノ前ニ一。故ニ名二近緣ト一 |
Z08_0039B11: | 也。已上●(五七)雲棲云ク。至心念佛ノ一聲。滅ス二八十億劫 |
Z08_0039B12: | 生死ノ重罪ヲ一。所以ハ者何ン。至心ノ故也。若匪レハ二至心ニ一。罪 |
Z08_0039B13: | 則不レ滅。已上疏ニ云ク。三ニ明二增上緣一。衆生稱念スレハ。卽除二多 |
Z08_0039B14: | 劫ノ罪ヲ一。命欲終時。佛ト與二聖衆一。自來テ迎接シ玉。已上●(五八) |
Z08_0039B15: | 此句も右の以下の句なり。法事讚ニ云ク。行者見已テ心 |
Z08_0039B16: | 歡喜シ。終ル時從テレ佛ニ坐ス二金蓮ニ一。已上○ほいは本意なり。 |
Z08_0039B17: | ●(五九)前をむすぶなり。右の重々。みなあさましき |
Z08_0039B18: | 事なり。●(六〇)下卷ニ云ク。われらをみちびき給ふべ |
Z08_0039B19: | き。佛の御方便は。もとより。した〻めまうけられた |
Z08_0039B20: | るを。た▲衆生のかたより。あやぶみて。身を本願にま |