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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0038A01: 疑悔。甘露夭ストハ。蓋謂也。已上世に善導法語
Z08_0038A02: となづくる物あり。ひとへに持戒念佛をす〻めて。破
Z08_0038A03: 戒無戒の往生をゆるさず。かれ智なきがゆへに佛願
Z08_0038A04: のふかきことをしらず。悲なきがゆへに。下機をかへ
Z08_0038A05: り見ず。筆にまかせて偏見をしるす。その非をた〻す
Z08_0038A06: こと。洞師破戒往生章の如し。又此ごろ。善導遺誡とい
Z08_0038A07: ふ物。世に流布す。類藏集より出たり。ひとへに持戒
Z08_0038A08: の念佛をす〻めて。破戒の往生をゆるさず。されども。
Z08_0038A09: その文體。最つたなし。義道餘に異なり。信用するに
Z08_0038A10: たらず。いはんやむかしより。長西錄の僞妄の部に入
Z08_0038A11: ぬ。贋書なること分明なり。●(四六)破戒と持戒とは。
Z08_0038A12: 善惡はるかなるに。何とておなじ詞にはいひすて給
Z08_0038A13: ふぞや。もとより阿彌陀の大悲は。三學分外のともが
Z08_0038A14: らを。たすけ給はんがために。三學の(シキミ)の外にたて給
Z08_0038A15: へる本願なり。持戒破戒にて。す〻みしりぞく道にあ
Z08_0038A16: らざれば。おなじ詞にいひすてられしなり。●(四七)
Z08_0038A17: 善人惡人。僧俗男女。士農工商。賢愚貧福うまれつきの
Z08_0038A18: ま〻。それ〲の身がらをあらためずして。直に念佛
Z08_0038A19: すれば。直に本願におさめられて。みな往生をとぐる
Z08_0038A20: なり。上人云。彌陀如來本願の名號は。木こり。草かり。
Z08_0038B01: 菜つみ。水くみの類ごときの者の。內外ともにかけて。
Z08_0038B02: 一文不通なるが。となふればかならずうまれなんと
Z08_0038B03: 信じて。眞實にねがひて。つねに念佛申を最上の機と
Z08_0038B04: す云云。○下學集。鍛冶者也。日
Z08_0038B05: 本之俗。以二字。呼假治。大ナルナリ云云。
Z08_0038B06: 番匠飛彈之流也。已上四聲字苑。匠者上巧
Z08_0038B07: 人也。已上●(四八)かうありてこそまことに。●(四九)
Z08_0038B08: 女は髮を置なから。男は烏帽子を着たるま〻。世のい
Z08_0038B09: となみはとにもかくにも。むかしのわれをすこしも
Z08_0038B10: かへず。角をいた▲きながら。すぐに本願におさめら
Z08_0038B11: る〻なり。かく領納してこそ。本願も手にとりたるや
Z08_0038B12: うにて。彌陀もしたしく。たのもしき事なれ。●(五〇)
Z08_0038B13: 出家は一筋に念佛すれば往生もやすかるべし。在家
Z08_0038B14: は名利に貪著すれば。往生いかがとうたがふなり。出
Z08_0038B15: 家の身になりても。心はかはらぬものなれば。さまで
Z08_0038B16: 一筋にもなりがたし。むかしより在家の人の往生し
Z08_0038B17: たるためし。いくばくおほき事なり。淨摩尼といふ珠
Z08_0038B18: を。にごれる水になぐれば。きよくなる如く。念佛を
Z08_0038B19: 口にふくめば。心のにごりもをのづからきよくなる
Z08_0038B20: なり。此事上人十二箇條の問答にあり云云。むかしひた

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