浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0034A01: | 方かぎりある事なり。その心が用に立てする往生に |
Z08_0034A02: | はあらず。性相决判門の時は。人空をさとる二乘の聖 |
Z08_0034A03: | 者だに。報土には生じがたし。まして一毫未斷の凡夫 |
Z08_0034A04: | は。ふつに往生する道理なし。佛願不思議門の時は。よ |
Z08_0034A05: | き凡夫も。あしき凡夫も。ひとしく往生するなり。新後 |
Z08_0034A06: | 拾遺賢珠上人にごる世の人の心をそのま〻に。すてぬ誓 |
Z08_0034A07: | を賴むばかりぞ。●(一二)凡夫の往生は。佛願による |
Z08_0034A08: | 心のよしあしにはよらず。論じても詮なしとなり。● |
Z08_0034A09: | (一三)此人た▲彌陀の。たときことのみをしりて。た |
Z08_0034A10: | ときゆへをしらず。諸佛の中に此佛のみを。とりわき |
Z08_0034A11: | たとぶ事はなにゆへぞと。その根源をよくしるべし。 |
Z08_0034A12: | 呂氏春秋ニ云ク。所ノレ爲スレ貴トレ驥ヲ者ハ。爲ナリ二其ノ一日ニ |
Z08_0034A13: | 千里ナルカ一也。已上○心つたなければこそ。彌陀をたのめ。 |
Z08_0034A14: | 身わろければこそ念佛を申事なり。●(一四)これ別し |
Z08_0034A15: | て彌陀をうやまふ子細なり。極重の惡人をもたすけ。 |
Z08_0034A16: | 十こゑ一こゑまでをもらさず。十方の諸佛にこえて。 |
Z08_0034A17: | 比類なき高名なれば。超世の願王と申なり。釋尊四十 |
Z08_0034A18: | 餘年の御說法の度ごとに。此佛をのみ。ほめす〻め給 |
Z08_0034A19: | へるも此ゆへなり。黑谷上人云。十方に淨土おほけれ |
Z08_0034A20: | ど。西方を願ふは。十惡五逆の衆生のうまる〻故なり。 |
Z08_0034B01: | 諸佛の中に彌陀に歸したてまつるは。三念五念に至 |
Z08_0034B02: | まで。みづから來迎し給ゆへなり。○十疑論ニ云ク。釋迦 |
Z08_0034B03: | 大師一代聖敎。處々ノ說法。唯勸テ二衆生ヲ一。專心ニ偏ニ念セシム二 |
Z08_0034B04: | 彌陀佛ヲ一。已上弘決ニ云ク。諸經ノ所レ讚。多在二彌陀一。已上● |
Z08_0034B05: | (一五)われら無始よりとまで。煩惱惡業にまみれたる |
Z08_0034B06: | ゑせものなれば。十方の淨土には。局をとぢてきらはれ。 |
Z08_0034B07: | 三世の諸佛も。手をはなちてすて給ひぬ。○惡をおこ |
Z08_0034B08: | すとは。心の煩惱の事なり。○つみをつくるとは。身と |
Z08_0034B09: | 口とになす事なり。風は目に見へねば意にたとへ。雨 |
Z08_0034B10: | は形あれば業にたとふるなり。○摩訶止觀ニ云ク。賢聖ニ |
Z08_0034B11: | 呵棄セラレテ。無レ所二恃怙一。年事稍去テ。刀風不レ奢。豈ニ可ンヤ三 |
Z08_0034B12: | 晏然トM(シテ)坐M(シテ)待ツ二酸痛一。已上解脫上人ノ云ク。自二曠劫一來。 |
Z08_0034B13: | 至テ二今日ニ一。惑業深重ニ而旣ニ嫌ハル二十方沍沙佛國ニ一。已上安 |
Z08_0034B14: | 樂集ニ云ク。若シ論セハ二起惡造罪ヲ一。何ソ異ランヤ二暴風駛雨ニ一。 |
Z08_0034B15: | 已上爾雅ニ云ク。日出テ而風アルヲ爲レ暴。疏ニ孫炎カ云ク。 |
Z08_0034B16: | 陰雲不M(シテ)レ興ラ。而大風暴ニ起ル。然則爲二風之暴疾一。已上和 |
Z08_0034B17: | 名鈔ニ云ク。暴風ハ乃和木乃加世。已上駛ハ篇海類編ニ云ク。 |
Z08_0034B18: | 詩止ノ切音疾也。已上●(一六)五劫思惟は。前に註せり。 |
Z08_0034B19: | 身を兆載の修行にくだきてとは。法藏菩薩。旣に五劫 |
Z08_0034B20: | の思惟をきはめ給ひて後。それ〱の願成就すべき |