浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0035A01: | 難行苦行をなし給へり。そのありさま。法然上人の |
Z08_0035A02: | 大經私記にあそばしたり云云。○兆載とは。數の名な |
Z08_0035A03: | り。その修行の時節ひさしき事をいふ。修行とは。六度 |
Z08_0035A04: | 萬行なり。○なは下知の心なり。○大經ニ云ク。於二不可 |
Z08_0035A05: | 思議兆載永劫ニ一。積テ植二菩薩ノ無量德行ヲ一。已上義寂ノ疏ニ |
Z08_0035A06: | 引テ二風俗通ラ一云。十萬ヲ爲レ億ト。十億ヲ爲レ兆ト。十兆ヲ爲レ經ト。 |
Z08_0035A07: | 十經ヲ爲レ姟。十姟ヲ爲レ補。十補爲レ選。十選ヲ爲レ載。已上淨 |
Z08_0035A08: | 影ノ云ク。在二不足位ニ一。硏習M(シテ)勝進ス。故ニ曰二修行ト一。已上● |
Z08_0035A09: | (一七)しかしながらとは。倂の字にて思惟も修行も。と |
Z08_0035A10: | もにといふ心なり。そも〱五劫の御心づくし。永劫 |
Z08_0035A11: | の御身のくるしみは。たれをたすけんとての御いと |
Z08_0035A12: | なみぞや。またくよその事には侍らず。われらをたす |
Z08_0035A13: | けられんがための難行苦行なり。かなしきかな。我等 |
Z08_0035A14: | が御ざまのつたなきゆへ。あぢきなく。大悲の御胸を |
Z08_0035A15: | いたましめて。菩薩の御身にくるしみをかけたてまつ |
Z08_0035A16: | る事よ。かの御修行の時は。大悲にたえず御身のいた |
Z08_0035A17: | みをもわすれて。手足をさき。御目の玉をもくりで。ほ |
Z08_0035A18: | どこし給ひけんこと。あはれにかたじけなくて。心な |
Z08_0035A19: | き墨染の袂にも。なみだをつ〻み侍るぞとよ。せめて |
Z08_0035A20: | それをば。我等ゆへの御事とだにおもはずして。なを |
Z08_0035B01: | 本願をよそ〱しく思ひ。往生をうたがはん事。いか |
Z08_0035B02: | なるつみのむくひぞや。鳴呼つれなき心かな。○往生 |
Z08_0035B03: | 講式ニ云ク。倩思ハ二大悲誓願之深ヿヲ一。涙連々トメ不レ留。實ニ |
Z08_0035B04: | 四十八ノ大願ハ倂ナカラ爲ナリ二衆生ノ一。僧祇劫ノ苦行モ。偏ニ |
Z08_0035B05: | 爲ナリ二我等カ一也。已上上人ノ云ク。永劫の修行は。これがた |
Z08_0035B06: | めぞ。未來の衆生にゆづりたまふ超世の悲願は。また |
Z08_0035B07: | 何の科ぞ。心ざしを末法のわれらにおくり給ふ。已上眞 |
Z08_0035B08: | 如堂本尊の御歌に。時すぎて益なき法をすてよかし。 |
Z08_0035B09: | 五劫思惟はたがためぞそも云云。●(一八)父子相迎ニ |
Z08_0035B10: | 云ク。諸佛もしかねたまへる十惡五逆の機を。たやすく |
Z08_0035B11: | 往生せさせぬる。大悲の至極をあらはして。佛も世にこ |
Z08_0035B12: | えたる高名とおぼすなるべし。已上○給にしのには。助 |
Z08_0035B13: | 字なり。○我建より下の廿字は大經にあり。法藏比丘 |
Z08_0035B14: | みづから。となへ給ふ四誓の偈なり。○此文の心をよ |
Z08_0035B15: | める新千載源邦長世にこゆるちかひの海のみをづくし。たつ |
Z08_0035B16: | るしるしはいつも朽せじ。○終のかの字。すみてよむ |
Z08_0035B17: | べし。かなといへる義なり。考一本。決定の義なり。僧正遍正。あさみどり糸よりかけて白 |
Z08_0035B18: | 露を。玉にもぬける春の柳か。とあり。古今の歌に。河風の凉くもあるか。とい |
Z08_0035B19: | へるかごとし。上にこそのか〻へあるがゆへ。しかと |
Z08_0035B20: | とまれり。●(一九)本願とは。上に引たる本願の文な |