浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0033A01: | 稱ス二阿那ト一云云。●(九)○ひたすらにごりにそみたると |
Z08_0033A02: | は。在家の事なり。○中々とは。かへりてといふ詞な |
Z08_0033A03: | り。○なまうかびとは。その身。僧尼となりて。その心 |
Z08_0033A04: | いまだきよからぬ事なり。すでに家をいで。戒をうけ |
Z08_0033A05: | ても。心ざまあしく戒をやぶりつれば。その罪おほく |
Z08_0033A06: | して地獄におつる事なり。○しり給はずやとは。序の |
Z08_0033A07: | 四重八重の註を見るべし。○箒木の卷に。ほとけも中 |
Z08_0033A08: | 々心ぎたなしと見給つべし。にごりにしめるほど |
Z08_0033A09: | よりも。なまうかびにては。かへりてあしきみちにも |
Z08_0033A10: | ただよひぬべくぞおぼゆると有。此引歌は良僧正古今。は |
Z08_0033A11: | ちす葉のにこりにしまぬ心もて。なにかは露を玉と |
Z08_0033A12: | あさむく。祕鈔ニ云ク。此引歌。詞ばかりをとるなり。心 |
Z08_0033A13: | はちがふなり。いふ心は。うき世にあるほどは。蓮の |
Z08_0033A14: | 游泥にありて。にごりにしまぬを。はや世を一度は |
Z08_0033A15: | なれて。たちかへる心あらば。さらににごりにけがさ |
Z08_0033A16: | る〻なり。●(一〇)在家の十惡は。た〻業道なるがゆ |
Z08_0033A17: | へに輕罪とす。出家の破戒は。惡業の上に佛の制にた |
Z08_0033A18: | がふ過をかさねて。その罪さらにをもし。されば觀經 |
Z08_0033A19: | の說にも。在家十惡人の廻心念佛するは。下品上生に |
Z08_0033A20: | うまると〻き。破戒の僧の改悔して念佛するは。下品 |
Z08_0033B01: | 中生にいたると〻き給へり。傳通記ニ云ク。問。前ニ受ヌ二 |
Z08_0033B02: | 佛戒ヲ一。縱ヒ後ニ雖レ破スト。何ソ重カラン二十惡ヨリ一。答。十惡ハ唯是 |
Z08_0033B03: | 業道ナリ。破戒ハ亦加フ二違制ヲ一。故ニ云二次罪ト一。已上○又云。破 |
Z08_0033B04: | 戒罪ハ重シ二於十惡一。當來墮苦モ亦彌增盛ナリ。今依テ二此義ニ一。 |
Z08_0033B05: | 以定ム二品位ヲ一。若依ハ下前ニ所ノレ受ル戒功德ニ上。如ク下萎メル占 |
Z08_0033B06: | 蔔ノ猶有ルカ中餘香上。出二地獄一已テ。速ニ近テ二佛法ニ一。出二於生 |
Z08_0033B07: | 死ヲ一。若依ハ二此ノ義ニ一。破戒之者。猶勝二十惡無戒之人ニ一。 |
Z08_0033B08: | 已上智論ニ云ク。佛法ノ中ニ出家ノ人ハ。雖二破戒M(シテ)墮スト一レ罪ニ。 |
Z08_0033B09: | 罪畢テ得二解脫ヲ一鬱鉢羅花比丘尼ノ緣。可レ引ク二于此ニ一。○十惡とは。身三殺盜婬。 |
Z08_0033B10: | 口四妄綺惡兩。意三貪瞋癡。なり。●(一一)人ごとにわが心を |
Z08_0033B11: | ば見かぎりて。世の人の心は。よも是ほどあしくはあ |
Z08_0033B12: | らじと。奧ふかくおもはる〻ものなれども。さらにし |
Z08_0033B13: | からず。世も五濁の末代なれば。人もをしなべてつた |
Z08_0033B14: | なし。心のきよき人といふとも。いくほどの事かあら |
Z08_0033B15: | ん。いかさま放逸の人と。慚愧ある人とは。いさ〻か |
Z08_0033B16: | のかはりあるべけれども。地體が凡夫なれば。見思の |
Z08_0033B17: | 惑はさながらあり。さまでのちがひめはあるまじき |
Z08_0033B18: | 事なり。○けぢめとは。物のちがひめをいふなり。源 |
Z08_0033B19: | 氏。伊勢などにもある詞なり。揭目ともかくなり河海抄 |
Z08_0033B20: | 闕疑抄。○凡夫の分は。いかほど心がきよければとて。大 |