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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0033A01: 阿那云云。●(九)○ひたすらにごりにそみたると
Z08_0033A02: は。在家の事なり。○中々とは。かへりてといふ詞な
Z08_0033A03: り。○なまうかびとは。その身。僧尼となりて。その心
Z08_0033A04: いまだきよからぬ事なり。すでに家をいで。戒をうけ
Z08_0033A05: ても。心ざまあしく戒をやぶりつれば。その罪おほく
Z08_0033A06: して地獄におつる事なり。○しり給はずやとは。序の
Z08_0033A07: 四重八重の註を見るべし。○箒木の卷に。ほとけも中
Z08_0033A08: 々心ぎたなしと見給つべし。にごりにしめるほど
Z08_0033A09: よりも。なまうかびにては。かへりてあしきみちにも
Z08_0033A10: ただよひぬべくぞおぼゆると有。此引歌は良僧正古今。
Z08_0033A11: ちす葉のにこりにしまぬ心もて。なにかは露を玉と
Z08_0033A12: あさむく。祕鈔。此引歌。詞ばかりをとるなり。心
Z08_0033A13: はちがふなり。いふ心は。うき世にあるほどは。蓮の
Z08_0033A14: 游泥にありて。にごりにしまぬを。はや世を一度は
Z08_0033A15: なれて。たちかへる心あらば。さらににごりにけがさ
Z08_0033A16: る〻なり。●(一〇)在家の十惡は。た〻業道なるがゆ
Z08_0033A17: へに輕罪とす。出家の破戒は。惡業の上に佛の制にた
Z08_0033A18: がふ過をかさねて。その罪さらにをもし。されば觀經
Z08_0033A19: の說にも。在家十惡人の廻心念佛するは。下品上生に
Z08_0033A20: うまると〻き。破戒の僧の改悔して念佛するは。下品
Z08_0033B01: 中生にいたると〻き給へり。傳通記。問。前
Z08_0033B02: 佛戒。縱スト。何カラン十惡ヨリ。答。十惡唯是
Z08_0033B03: 業道ナリ。破戒亦加違制。故次罪已上○又云。破
Z08_0033B04: 戒罪於十惡。當來墮苦亦彌增盛ナリ。今依此義
Z08_0033B05: 以定品位。若依戒功德。如メル
Z08_0033B06: 猶有ルカ餘香。出地獄。速佛法。出於生
Z08_0033B07: 。若依。破戒之者。猶勝十惡無戒之人
Z08_0033B08: 已上智論。佛法出家。雖破戒M(シテ)スト一レ
Z08_0033B09: 罪畢解脫鬱鉢羅花比丘尼緣。可于此○十惡とは。身三殺盜婬。
Z08_0033B10: 口四妄綺惡兩。意三貪瞋癡。なり。●(一一)人ごとにわが心を
Z08_0033B11: ば見かぎりて。世の人の心は。よも是ほどあしくはあ
Z08_0033B12: らじと。奧ふかくおもはる〻ものなれども。さらにし
Z08_0033B13: からず。世も五濁の末代なれば。人もをしなべてつた
Z08_0033B14: なし。心のきよき人といふとも。いくほどの事かあら
Z08_0033B15: ん。いかさま放逸の人と。慚愧ある人とは。いさ〻か
Z08_0033B16: のかはりあるべけれども。地體が凡夫なれば。見思の
Z08_0033B17: 惑はさながらあり。さまでのちがひめはあるまじき
Z08_0033B18: 事なり。○けぢめとは。物のちがひめをいふなり。源
Z08_0033B19: 氏。伊勢などにもある詞なり。揭目(ケヂメ)ともかくなり河海抄
Z08_0033B20: 闕疑抄。○凡夫の分は。いかほど心がきよければとて。大

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