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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0675A01: り。當時鳳潭諸宗に對し論戰を挑み。天台日蓮眞宗
J20_0675A02: 等の諸宗の學者筆鋒を並べて之に肉薄せしが。海は
J20_0675A03: 本宗を代表して彼の鋭鋒に當り。宗の體面を保持す
J20_0675A04: るに力めたる功績偉なりと云はざるべからず。
J20_0675A05: 野に於ける敬首・貞極・普寂三師は共に德川中世
J20_0675A06: の淨土宗の學者として内外に知らるるも敬首。普寂
J20_0675A07: に就ては既に述べしを以て此には貞極一人を叙ぶべ
J20_0675A08: し。
J20_0675A09: 貞極一六七七 一七五六立譽と號す。京都の人にして元祿十
J20_0675A10: 六年廿七歳を以て岡崎厭求貞憶に就き得度出家す。
J20_0675A11: 師の座下に侍する四年にして關東に遊び。籍を傳通
J20_0675A12: 院に懸け了因寮に入る。學寮に在ること三年專ら念佛
J20_0675A13: し傍宗乘を講究す。次で宗戒兩脉を禀承し京都に歸
J20_0675A14: 省す。而も其解行の未だ熟せざるを慨し。再び東遊
J20_0675A15: し屏居楞嚴を讀むこと三年にして省悟する所あり。正
J20_0675A16: 德三年世榮を辭して小石川に隱遁し。享保元年麻布
J20_0675A17: に卜居し。更に三河島通津菴。根岸四休庵等意に隨
J20_0675B18: ひ遊息す。かく隱遁生活をこととし自行に勵精せし
J20_0675B19: も。而も來りて道を訪ふ者を拒まず。從て道俗の來
J20_0675B20: 訪問道する者常に其門に絶えざりしと云ふ。寶曆六
J20_0675B21: 年六月二日八十歳を以て寂す。隱遁以來著す所本願
J20_0675B22: 念佛感光章二卷。涅槃像隨文略賛三卷。法の道芝二
J20_0675B23: 卷。三十二相顯要抄三卷。鎚砧抄十卷。兩脉自他二
J20_0675B24: 要三卷。五重廢立抄三卷。六波羅蜜寶林抄四卷。同
J20_0675B25: 拾玉抄三卷。廿五菩薩拾穗抄三卷。淨土回向要決。
J20_0675B26: 如來十力得勝論。三心敎訓抄。深草問答。淨土八祖
J20_0675B27: 略傳要註。淨土和語宗要增一法門等八十餘部あり。
J20_0675B28: 其五重廢立抄の如き當時彼に非れば到底言ひえざる
J20_0675B29: 所を道破せるもの。後年行誡が傳語を作りて傳法の
J20_0675B30: 改革を企てしが如き。彼の言論に動かされたるもの
J20_0675B31: なり。
J20_0675B32: (三) 後期
J20_0675B33: 天明元年普寂遷化し。其翌年大我寂せしより以降
J20_0675B34: は。宗學界頓に寂莫を感ぜしむるものなきにあらざ

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