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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0674A01: の如きも實に其一人なりしと云ふ。著す所三部經合
J20_0674A02: 讚七卷。圓頓戒誘蒙一卷。智光淸海曼陀羅合讚二卷
J20_0674A03: 等あり。何れも宗門學徒の指針たるを失はず。
J20_0674A04: 鸞宿― 一七五〇靈譽と號す。伊勢國山田の人なり。
J20_0674A05: 幼にして晴雲院に入り靈玄師に就き得度す。東遊錫
J20_0674A06: を縁山に懸くるや博聞強記にして論義講説玄師に讓
J20_0674A07: らず。後小金東漸寺に出世し。延享二年五月瓜連を
J20_0674A08: 經て直に知恩院に住す。是第三十五世心譽文宗が飯
J20_0674A09: 沼より超昇したる以來の異例なり。居ること六年にし
J20_0674A10: て寬延三年十月十五日華頂に寂す。曾て縁山の學侶
J20_0674A11: たりし頃淨土傳燈總系譜三卷を編し。開宗以後當時
J20_0674A12: に至る列祖の正系傍出を圖示し本支幹葉の關係を明
J20_0674A13: にし。且つ各人の下に小傳を附記して其事迹を知り
J20_0674A14: 易からしむ。是より先京都綾小路大宮歸命院懷山。
J20_0674A15: 敕修傳。淨土分流。蓮門流派。淨土血脉論。淨土源
J20_0674A16: 流等に依り。一宗の系統を圖書し之を門弟靈山に授
J20_0674A17: く。靈山之を增修して淨土源流解蒙と名けて世に流
J20_0674B18: 布し。後更に增補訂正して淨統略讚と題し世に行
J20_0674B19: ふ。宿師の總系譜は恐らく此を基礎とし更に增補し
J20_0674B20: 且つ各人の下に小傳を附せしものなり。攝門が檀林
J20_0674B21: 誌瓜連志の下に。總系譜は懷山の遺稿にして。鸞宿が
J20_0674B22: 其儘自名を署して刊行し人の功を奪へるが如く記す
J20_0674B23: るは。誣ゆるの甚しきものと云はざるべからず。總系
J20_0674B24: 譜の外有鬼論二卷。八宗綱要疏。選擇集玄譚一卷。
J20_0674B25: 同講錄四卷。決疑鈔講錄七卷。同玄談一卷。廻瀾鈔
J20_0674B26: 一卷等五十餘卷あり。
J20_0674B27: 義海― 一七五五空譽と號す。別に冲默と號す。初增上
J20_0674B28: 寺に掛錫し。岩槻淨國寺を經て寬延三年新田大光院
J20_0674B29: に住し。在住五年にして寶曆五年正月十日入寂す。著
J20_0674B30: す所大經義疏選要記二卷。論註輔正記十二卷。遊心
J20_0674B31: 安樂道私記二卷。蕉窓漫筆三卷。佛像幖幟義箋註三
J20_0674B32: 卷。同圖説二卷。蓮宗禦寇編三卷。雪鵞箋斷非一卷
J20_0674B33: 等あり。禦寇編は華嚴鳳潭の念佛明導剳を駁擊し。
J20_0674B34: 斷非は鳳潭蓮宗禦寇編雪鵞箋を反駁したるものな

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