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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0656A01: 得。この書を精研したる後更に表面上の許可を得て
J20_0656A02: 開講す。
J20_0656A03: 開講に先だち綸旨頂戴の有無を檢め。また講場に
J20_0656A04: 於ける威儀作法を練習するの要あり。開講第一日に
J20_0656A05: は其の書の玄譚三門分別を述ぶるを例とす。此の日
J20_0656A06: 一文字席悉く出席聽聞し。谷頭班列の者之れを衞護
J20_0656A07: し。その儀式甚だ嚴重なり。入講十席を重ねたる
J20_0656A08: 後。終講の日限を定めこれを左右に伺ひ。二十日を
J20_0656A09: 經れば概ね講竟の許可あるを例とせり。
J20_0656A10: 再役講 扇間席に於て席役講を務めたる者が。轉
J20_0656A11: 席して一文字席に進入せる上務むべき講義にして。
J20_0656A12: 二度目の講義なるが故に此の名あり。此講義は一文
J20_0656A13: 字上席より順次に開講す。其書目は前と同く自他宗
J20_0656A14: に亙り自己得意のものを選ぶことを得。席役講及再役
J20_0656A15: 講は古代は四時間斷なく增上寺三谷に開講せられし
J20_0656A16: が。中世嶺譽智堂の代より正月十八日。五月二十
J20_0656A17: 日。七月二十日。十一月二十五日の四回に一定せら
J20_0656B18: れたり。此の講釋の玄譚は三段五段に分つを中世以
J20_0656B19: 後の例とせり。此の講には前の如く終講に認可をう
J20_0656B20: る必要なかりき。
J20_0656B21: 以上二講は其席に附隨する責務にして。之れを完
J20_0656B22: 全に果遂するとせざるとは昇沈進退の岐るる所なれ
J20_0656B23: ば。在席者の難關なりしも漸次狡獪なる活路を案出
J20_0656B24: するに至れり。即ち少數有識者の講案或は其の講錄
J20_0656B25: は甲より乙に傳寫せられ。玄譚文釋の内容は勿論諸
J20_0656B26: 所に挿入せらるる挿話地口に至るまで記錄せられ
J20_0656B27: て。苟も之れを讀むの文字眼と公衆の前に之れを覆
J20_0656B28: 誦するだけの度胸ある者ならば。二講の關門を通過
J20_0656B29: すること左程困難にあらざりしなり。
J20_0656B30: 内講 前兩講釋の表面公式なるに對して内面隨意
J20_0656B31: の講義にして。一文字大衆頭より順次に行ふべきも
J20_0656B32: のなるも。時として月行事席のものにても之れを行
J20_0656B33: ふことあり。這は前兩講が單に講者の試驗なりしに
J20_0656B34: 異りて。學徒敎養の目的をも含めるがゆゑに。開講

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