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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0654A01: ず。檀林に於て學生の方面に於て特に重要なるは定
J20_0654A02: 期上下讀法問なり。
J20_0654A03: 上讀法問 元和條目には客殿法問とあり。本坊に
J20_0654A04: 於て方丈親から論主となり。自他宗敎義中難解難會
J20_0654A05: の文を算題即ち問題として提出するを上讀と云ふ。
J20_0654A06: 讀は問題を讀むことにして。能化上より下の所化に
J20_0654A07: 向て讀むが故に上讀の稱あり。此の場合には月行事
J20_0654A08: を始め三席百五十僧各各其の座席に就き。方丈提出
J20_0654A09: の問題に對し經論祖釋を引證し。種種の譬喩を擧
J20_0654A10: げ。和會通釋を試むるなり。其の時期と問題數と
J20_0654A11: は。元和條目第三十條に之れを規定す。一、於一夏
J20_0654A12: 中客殿之法問十則……無闕減可令決擇と。即
J20_0654A13: ち一夏中に十問題を論議するを要し。其の回數は記
J20_0654A14: さざるも。中古以來は四月十八日より二十一日ま
J20_0654A15: で。十月十八日より二十一日まで各期二則づづ合し
J20_0654A16: て四則にして十問題の規則は遵守せられざりしとせ
J20_0654A17: ざるべからず。
J20_0654B18: 下讀法問 下より上に向て筭題を朗讀するを下讀
J20_0654B19: 法問と云ふ。此の法問は上讀法問が三席の老僧の學
J20_0654B20: 解試驗の爲めなりしに反し。名目頌義二部の初學者
J20_0654B21: を所被とし。此れ等を提撕啓蒙するにあり。其の法問
J20_0654B22: 主は月行事十二僧の中上席より順次に之れに當り。
J20_0654B23: 法主に代りて論議の是非を批判決擇す。此の座にも
J20_0654B24: 方丈を始め三席の僧も列座聽聞して其の決擇を監視
J20_0654B25: するがゆゑに。また月行事席に對する一種の試驗な
J20_0654B26: りと云ふべし。法門主の左右には歸頌十人衆兩分列
J20_0654B27: 座す。歸頌の名は選擇以上の者も此の席に入れば頌
J20_0654B28: 義部に復歸するの意にして。上讀席の月行事に相當
J20_0654B29: するものなり。此の内首長を部頭と云ひ。次席を上
J20_0654B30: 座と云ふ。法門主及び歸頌と同列の僧を一文字と云
J20_0654B31: ひ。一文字に接して橫に相對座するを扇間席と稱
J20_0654B32: す。一文字扇間等は上讀席に同じけれども其の人員
J20_0654B33: は同からず。一文字扇間に出席すべき僧は法問熟達
J20_0654B34: の者ならざるべからず。此等の席に入るをえざる初

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