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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0652A01: 視するのみなり。
J20_0652A02: 前揭寬永十六年の條規第十一、十二、十三條の示
J20_0652A03: す如く。新來若輩の同菴は指南者捌人に就き。五部九
J20_0652A04: 帖等の宗學を日夕講習し。又餘暇には他の學問をも
J20_0652A05: 好む所に從つて自由に爲すを得て。平時即ち學期な
J20_0652A06: れども。殊に兩安居は特別に設けられたる檀林の學
J20_0652A07: 期なりき。兩安居とは冬夏の兩度安居にして。其の
J20_0652A08: 期限は元和條目第二十九條に規定せらる。如舊例
J20_0652A09: 夏安居從四月十五日期六月二十九日冬安居從
J20_0652A10: 十月十五日可至極月十五日聊不可有延促事
J20_0652A11: と。即ち夏安居は約七十日にして。冬安居は六十日
J20_0652A12: なり。而して此の學期中の重なる科目は。同條目第
J20_0652A13: 三十條に規定せらる於一夏中客殿之法問十則下讀
J20_0652A14: 十一則無闕減可令決擇並湯日之外不可有談
J20_0652A15: 場懈怠冬安居可爲同前事と。即ち一夏中上讀法
J20_0652A16: 問十題。下讀法問十一題を論議し。入浴日以外は講義
J20_0652A17: 聽問に出席するの義務あり。兩安居の中間を夏間
J20_0652B18: (或は解間)或は半夏と云ふ。兩安居の中間なるが故
J20_0652B19: に此の名ありて。其の終りの翌日より始めの前日に
J20_0652B20: 至るまでを稱すべきも。休息期限の勉強時間として
J20_0652B21: 特に期限を定めたり。元和條目第三十一條に解間之
J20_0652B22: 事春從二月朔日期三月二十九日秋從八月朔日
J20_0652B23: 可至九月二十七日如兩安居惣而不可有物讀
J20_0652B24: 法問懈怠事とある是なり。然れども兩夏間は安居
J20_0652B25: 期の如く勉學出席嚴重ならざるが故に。學資乏しく
J20_0652B26: 且つ將來香衣綸旨頂戴の費用の支出者なき者は。府
J20_0652B27: 内或は近在の寺院に隨身して此れ等の資金を調達す
J20_0652B28: ることあり。此れ等を夏間僧と稱し同菴中には一種
J20_0652B29: 輕蔑の意味を有せり。夏間僧の橫着なる者は。寺院
J20_0652B30: に隨身せず市中に借家して。在家に讀經或は談義等
J20_0652B31: をなし利養を貪求せり。此れ等に對して檀林に於い
J20_0652B32: て嚴重なる制規を設け。顯露せる者は除籍追放の酷
J20_0652B33: 罰を課せるも。巧みに制規を逸脱せる者も尠からざ
J20_0652B34: りしが如し。

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