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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0643A01: 進して。運よくは香衣檀林に出世し。或は紫衣の菩
J20_0643A02: 提所に任命せられ。運拙くも市内或は地方格寺の住
J20_0643A03: 職に特命せられんとの冀望是なり。此等部轉昇席を
J20_0643A04: 鴻漸と稱す。
J20_0643A05: 部轉 德川時代には宗學の課目を九部に分てり。
J20_0643A06: 即名目。頌義。選擇。小玄義。大玄義。文句。禮讚。
J20_0643A07: 論。無部是なり。各科講究して考試の上次部に轉ず
J20_0643A08: るが本旨なりしも。後には單に被位の年間を以て部
J20_0643A09: を轉じ。其實力の奈何を問はざるに至れり。貞享二
J20_0643A10: 年法度(三)下知狀第八條に部轉之儀如有來法式一
J20_0643A11: 部三年宛勤學之以後可轉之縱雖爲老僧初學之
J20_0643A12: 所化者名目之席三年指置頌義之座可移之不滿
J20_0643A13: 年席僧致部轉儀堅可爲無用事と。以て貞享以
J20_0643A14: 前此因襲の既に久しきを見るべし。而して此一部三
J20_0643A15: 年の制度は。種種の口實の下に破壞せられしこと前
J20_0643A16: 後に屢之ありしが如し。即寬文十一年檀林決議(七)
J20_0643A17: 第八條に。背古來之壁書加部加年仕者急度可申
J20_0643B18: 付事附中二年過可致部轉事とあり。以て三年未
J20_0643B19: 滿にして部轉せしめたる者ありしを見るべく。又貞
J20_0643B20: 享三年檀林會議決議七箇條中に。就部轉三ケ年一
J20_0643B21: 度被相定候從今年至卯之冬安居之終諸檀林同
J20_0643B22: 時可轉之勿論臨終及入院部轉堅無用之事とあるは
J20_0643B23: 檀林能化が遷化するか。或は晋山の際特別に三年未
J20_0643B24: 滿者に部轉せしむることの行はれたるを見るべし。
J20_0643B25: 課目九部ありと雖も第九無部は其名の示す如く定
J20_0643B26: れる學科あるに非ず。故に實際の學科は前八部のみ
J20_0643B27: なり。前八部二十四年にして宗學の蘊奧を窮盡し。
J20_0643B28: 第九無部は智辯無窮にして能化の補處たる位置にあ
J20_0643B29: り。檀林能化職紫衣地別格寺の住職は。無部に遊戯
J20_0643B30: すること久しきに亘れる者に非ざれば其選に當るをえ
J20_0643B31: ず。無部に入り檀林能化職等を望まざる者も。五重
J20_0643B32: 兩脈の傳受。布薩璽書の許可。香衣上人綸旨等。孰
J20_0643B33: れも相當の年限を經過し。八部の相當の部を修了し
J20_0643B34: たるものならざるべからず。八部の中名目頌義二部

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