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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0637A01: に隨從して他の檀林に轉籍し或は或は都合により他
J20_0637A02: の檀林に移りて除籍せらるるを隨身消帳と云ひ。死
J20_0637A03: 亡の爲めに除籍せらるるを往生消帳と云ひ。放逸無
J20_0637A04: 慚にして檀林の法規に違背し世間の法律に觸反せる
J20_0637A05: が爲めに寮主より寺社奉行に屆出て除籍するを不見
J20_0637A06: 屆消帳と云ふ。是れ本人より除籍の請求を待たざる
J20_0637A07: が故なり。或は愚鈍無智にして檀林の交際に堪へ
J20_0637A08: ず。或は利智聰慧にして慣習的束縛に甘んぜず。或
J20_0637A09: は道念醇厚にして名利の驅使を厭ひて。半途檀林を
J20_0637A10: 辭退して故國に歸息し。四方に遊學し林叢に念佛す
J20_0637A11: る者あり。此れ等を辭山消帳と云ふ。辭山消帳の第
J20_0637A12: 二或は第三の理由に因づく者の數の決して尠少なら
J20_0637A13: ざりしこと事實にして。此の事實は德川時代の本宗
J20_0637A14: が幕府と同じく萬事形式に流れ慣習を固執し。高才
J20_0637A15: 逸足の士摯實熱誠の人を容るるの餘地なく。腐膓愚
J20_0637A16: 昧の人物を以て充滿せられしことを示すものにし
J20_0637A17: て。宗勢振はず敎化擧らざりし大原因實に玆に存
J20_0637B18: す。
J20_0637B19: 三 傳法
J20_0637B20: 宗門子弟が千里笈を負ひて檀林に入寺し。刻苦勉
J20_0637B21: 勵する所以のものは。將來能化師となり。敎誡師と
J20_0637B22: なりて遺憾なき。自行化他の德業を積累するにあ
J20_0637B23: り。此德業の成熟を證明するに宗戒兩脈の傳授あり。
J20_0637B24: 璽書の許可あり。中古以來此等の傳禀のほか五重
J20_0637B25: 及び布薩戒の相傳ありと雖ども。五重と宗脈は本來
J20_0637B26: 同一のものを二分したるもの。布薩戒は圓頓戒の變
J20_0637B27: 化し之に代へられたるものなるが。元和條目には圓
J20_0637B28: 戒五重兩脈及び璽書の名目あるも更らに布薩戒なる
J20_0637B29: 名目なし。從つて之れを傳授すべき年限を規定する
J20_0637B30: にも兩脈と璽書とを出すのみ。該條目第五條に淨
J20_0637B31: 土修學不至拾五年者不可有兩脈傳授於璽書
J20_0637B32: 許可者雖爲器量之仁不滿二十年者堅不可
J20_0637B33: 令相傳事とあり。即ち兩脈傳授は入寺以後十五年
J20_0637B34: を經過し。璽書許可は二十年を經過することを要す

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