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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0630A01: ひ。十八檀林のいづれかに入り。名籍を其の檀林に
J20_0630A02: 編入せられ。此に始めて宗門の人と成る。之を入寺
J20_0630A03: と稱す。
J20_0630A04: (一) 資格 苟も本宗寺院の子弟たる者は。誰人も
J20_0630A05: 入寺しうべきは一般の原則なるも。之には多少の制
J20_0630A06: 限あり。寬永九年九月廿九日增上寺照譽了學代に發
J20_0630A07: 布せられたる。所化入寺掟なるものあり。
J20_0630A08: 一、十五歳以前者無用之事
J20_0630A09: 一、樣子見惡かたわもの 附三經不讀之僧者無用之事
J20_0630A10: 一、他宗他門諸勸進之類縱歸依たるといふ共無用之
J20_0630A11:
J20_0630A12: 右之條條相背於爲入寺者寮坊主共急度可令追
J20_0630A13: 放者也仍如件 寬永九年九月廿五日 團蓮社判所
J20_0630A14: 化諸行事
J20_0630A15: 故に寬文十一年檀林能化の會合に於て議決せられ
J20_0630A16: たる定書にも。
J20_0630A17: 一、初入寺之僧十五歳以前不可有許容事
J20_0630B18: 一、一向宗強可有吟味事件之者於宗門中僞
J20_0630B19: 號弟子所化出候者露顯次第急度法度可申付事
J20_0630B20: の條項あり。但戸籍法不充分なる當時のことなれ
J20_0630B21: ば。往往年齡を詐稱して入寺したるものあるは言を
J20_0630B22: 俟たず。甚しきは「下駄ハカセ」なる猾策行はる。增
J20_0630B23: 上寺は入寺者の定員常に超過せるを以て。かかるこ
J20_0630B24: との行はるる餘地なかりし筈なるに尚此ことあり。況
J20_0630B25: や他山に於てをや。即ち正月十一日の入寺期に。學寮
J20_0630B26: 主空名を揭げて之を大衆名簿に記入し。新來者に之
J20_0630B27: を賣與へて餘得としたること少からざりしこと云ふまで
J20_0630B28: もなし。故に十二三歳の少年も此の方便によれば容
J20_0630B29: 易に入寺したるなるべく。下に揭くる高僧中。德巖
J20_0630B30: 和上が十二歳にして入寺せられたるが如きも。此方
J20_0630B31: 便によられしものか。他宗他門其他勸進者等は。宗
J20_0630B32: 門の内事を漏洩し面目を毀損する等の惧あるが故
J20_0630B33: に。かくは禁令を設けたるなるべし。かく他より侵
J20_0630B34: 入を防遏すると同時に。已入寺者の他宗他門に轉ず

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