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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0629A01: を設けしめたるものなるを知るべし。
J20_0629A02: 寶永四年安藤右京亮の菩提所たる糀町長福寺(後
J20_0629A03: に栖岸院)無住たりしにより。安藤家よりは扇間席
J20_0629A04: 頭源的を後住たらしむるやう依賴せしかば。增上寺
J20_0629A05: 方丈はこれを任命せしに。大衆は上の定覺書を楯と
J20_0629A06: し源的並法類をも擯出して騷亂をなせしにより。幕
J20_0629A07: 府は其首長を追放し此定覺書を取上げ。且八月九日
J20_0629A08: 定書(五)を下し大衆の集合結黨を戒餝せり。又古來
J20_0629A09: 寺院住職交代に通談の窃に行はれたることは寬文五年
J20_0629A10: 下知狀第三條に。以金銀不可致後住之約事とあるに
J20_0629A11: よりて知るべし。
J20_0629A12:
J20_0629A13: 第五章 宗侶の養成
J20_0629A14:
J20_0629A15: 德川時代以前においては。宗門僧侶養成に一定の
J20_0629A16: 規則順序あることなく。辛く關東檀林の一部分にお
J20_0629A17: いては。聖冏師の兩脈相傳儀式制定以來。これが授
J20_0629B18: 受を以つて宗門僧侶たる資格を定めたるも。其規則
J20_0629B19: を遵奉せしは極めて小一部分に疆られたり。故に或
J20_0629B20: は天台宗に入りて勤學修業し。或は眞言その他の宗
J20_0629B21: 門に赴き。智解を磨勵したるものなきにあらざりし
J20_0629B22: も。多くは愚痴文盲の阿羊僧にして。不淨談義以
J20_0629B23: て田夫野人の歡心を求むるもの比比として然らざる
J20_0629B24: はなし。是れ本宗が附庸寓宗たりし時代に於ては洵
J20_0629B25: に已むをえざるところなりしなり。然れども伽藍完
J20_0629B26: 備し資具充實して。嚴然たる一宗の體裁を有するに
J20_0629B27: 至りては。かかる放漫不規律なる宗侶養成法を許す
J20_0629B28: べからず。此に於てか宗門僧侶養成法を一定し。こ
J20_0629B29: れに遵據せざるものは相當寺院に住するをえざるに
J20_0629B30: 至れり。其主要なる事項を説明すること次の如し。
J20_0629B31: 一 入寺
J20_0629B32: 兒童寺院に入り住職に就きて出家得度し。洒掃應
J20_0629B33: 對並びに日常勤行を習修し。三經一論五部九卷の要
J20_0629B34: 文を暗誦し。年齒志學に達するときは笈を關東に負

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