浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0624A01: | られたるとともに。異例の轉昇なるも。その前後に |
J20_0624A02: | 於ては殆んどかかる例なく。香衣檀林以上は渾べて |
J20_0624A03: | 法臘席を以て昇進し。全く破格の超越を見ず。是れ |
J20_0624A04: | 非望不逞の徒の跳梁を防止し。秩序平和を維持する |
J20_0624A05: | には適當なる制度なりしならんも。非凡卓拔なる人 |
J20_0624A06: | 士の隱遁離山を促し。宗門の要衝を以て凡骨鈍才の |
J20_0624A07: | 橫行に委し。一宗を沈滯不振ならしめたること。下 |
J20_0624A08: | に述ぶる學席昇進制度と共に非常に大なりき。 |
J20_0624A09: | (四) 引込紫衣地 紫衣檀林が本山錄所の極位に出 |
J20_0624A10: | 世すべき前途の冀望多き寺院なるに反して。金戒光 |
J20_0624A11: | 明寺・淸淨華院・知恩寺・大樹寺・寶臺院・天德 |
J20_0624A12: | 寺・誓願寺の七箇寺は。格式に於ては本山或は菩提 |
J20_0624A13: | 所にして紫衣地たるを以て。前紫衣檀林に勝るとも |
J20_0624A14: | 劣ることなかりしも。其の處を以て出世の終局と |
J20_0624A15: | し。轉進して本山錄所に榮轉するの望なく。恰かも |
J20_0624A16: | 菩薩が二乘地を畏忌したるが如く。香衣檀林能化者 |
J20_0624A17: | は非常に之を嫌忌し。其當選を免るるが爲に種種苦 |
J20_0624B18: | 心せり。引込紫衣地の引込の文字の如きも。隱居閉 |
J20_0624B19: | 門等と同じく甚だ好ましからず。之を嫌忌するもの |
J20_0624B20: | の附與せる稱なるが故に。德川氏より之を見れば洵 |
J20_0624B21: | に敬意を失へる稱呼なり。 |
J20_0624B22: | かく引込紫衣地住職に任命せらるることは。香衣 |
J20_0624B23: | 檀林能化者が難有迷惑。否甚だ苦痛に感ずる所なれ |
J20_0624B24: | ば。種種の苦肉策を設け。これを逃れむと試みたる |
J20_0624B25: | 例少からず。天明六年十二月駿府寶臺院の無住とな |
J20_0624B26: | るや。幕府は江戸崎大念寺奚疑を後住に擬して出府 |
J20_0624B27: | を命ぜしに。奚疑中途其由を知り病と稱して江戸崎 |
J20_0624B28: | に還りしかば。幕府之を罸し隱退を命じ。さらに川 |
J20_0624B29: | 越蓮馨寺祖秀を寶臺院住職に命じたることあり。ま |
J20_0624B30: | た文化八年七月淸淨華院の無住となるや。本所靈山 |
J20_0624B31: | 寺秀海に後住を命ぜられしも。曾て增上寺に於て役 |
J20_0624B32: | 僧を勤めたるものは。引込紫衣地に推薦せられざる |
J20_0624B33: | 慣例ありと主張して命に從はず。時の增上寺役者祐 |
J20_0624B34: | 海在歡もこれに雷同せしが。幕府はその理由なきを |