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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0620A01: 無能寺を興立し奉律の開祖となり。後江戸に來り目
J20_0620A02: 黑蟠龍寺に住し、長泉院の創立に盡力せしが。事業
J20_0620A03: の完成を見ずして寶曆十二年八月二十四日寂す。和
J20_0620A04: 上の後良光。閑澄。光嚴。無住等相繼ぎて無能寺に
J20_0620A05: 住し。奧羽淨土律の爲に勢焰を吐けり。
J20_0620A06: 捨世地と律院とは密接なる關係あること上述により
J20_0620A07: て略想像するをうべきも。捨世地少しく進めば容易
J20_0620A08: に律院と成りしこと圓成寺。貞照院等に見るべし。又律
J20_0620A09: 院には律院の規式ありて捨世地と同からざれども。
J20_0620A10: 律師和上を缺如せる時は之を完全に實行すること能は
J20_0620A11: ざるが故に。勢ひ捨世地と相去ること遠からざるもの
J20_0620A12: となるは自然の結果なり。
J20_0620A13: 八 住職
J20_0620A14: 住職資格はその住職すべき寺院の格式により一樣
J20_0620A15: ならず。然れども本山檀林紫衣地及び別格寺院を除
J20_0620A16: き。一般寺院の中。能分地は兩脉璽書を相承し香衣
J20_0620A17: 綸旨を頂戴せる權正の上人たるを要し。西堂地平僧
J20_0620B18: 地塔頭は綸旨頂戴の資格なきか。或は報謝金を調達
J20_0620B19: する資力なくして。上人たること能はざるものも。
J20_0620B20: 住職するを得たり。本山檀林紫衣地等は。兩脈璽書
J20_0620B21: を傳授せられ。香衣綸旨頂戴の上たるは勿論。檀林に
J20_0620B22: 於ける學席年﨟を積累したる者に非れば。住職に任
J20_0620B23: 命すること能はざるなり。學席年﨟積功して昇進す
J20_0620B24: るにも。香衣檀林紫衣檀林紫衣地本山錄所等。漸漸
J20_0620B25: 轉昇の徑路を辿らざるをえず。今其等の次第を略述
J20_0620B26: すべし。
J20_0620B27: (一) 香衣檀林 關東十八檀林の中十二(後には十
J20_0620B28: 一)の香衣檀林は。漸漸に轉進して遂に錄所本山に
J20_0620B29: 登昇すべき出世の端緖にして。檀林被位の所化僧が
J20_0620B30: 目的とする三百由旬の理想地たりき。故に香衣檀林
J20_0620B31: 住職に任命せらるることを出世と稱せり。これ等香
J20_0620B32: 衣檀林の住職も。當初においては人物本位にして多
J20_0620B33: 少の年﨟を超越し。所在檀林の奈何を問はず選拔任
J20_0620B34: 命せられたるも。中古以來は殆んど縁山の學頭二﨟

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