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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0606A01: て以來。毎代大僧正に補せらるるを例とし緋衣を着
J20_0606A02: せしを以て。通途は紫衣檀林の中に算へざりしなる
J20_0606A03: べし。
J20_0606A04: 檀林十八箇寺は。平等に傳法傳戒と。香衣綸旨添
J20_0606A05: 狀との特權を有したりしが。上述の如く紫香の差別
J20_0606A06: あり。紫衣地中又一命再命三命の階級ありしのみな
J20_0606A07: らず。紫香の關係に於ては同等に位しながら。朱印
J20_0606A08: 領地に多少あり。即左の如し。
J20_0606A09: 增上寺 一萬七百四拾石 大巖寺 百石
J20_0606A10: 傳通院 八百三拾石 勝願寺 三拾石
J20_0606A11: 光明寺 百石永拾貫文 大念寺 五拾石
J20_0606A12: 大光院 三百石 靈巖寺 五拾石
J20_0606A13: 常福寺 百石 淨國寺 五拾石
J20_0606A14: 弘經寺 百石 蓮馨寺 貳拾石
J20_0606A15: 幡隨院 五拾石 靈山寺 五拾石
J20_0606A16: 大善寺 拾石 弘經寺 五拾石
J20_0606A17: 東漸寺 五拾石 善導寺 百石
J20_0606B18: 這は舊來の所領と。德川氏に對する關係の親疎と。
J20_0606B19: 檀林定立の際住職者の人物等の諸種の原因によるも
J20_0606B20: のの如し。
J20_0606B21: 三 紫衣地
J20_0606B22: 本宗紫衣地は、京都四箇本山。關東十八檀林の中
J20_0606B23: 六箇寺(後に七箇寺)。及祖蹟由緖地として筑後善導
J20_0606B24: 寺(元和九年三月十七日上譽大通代)。讃岐法然寺(延
J20_0606B25: 寶三年閏四月廿四日)。堺旭蓮社。河内來迎寺(寶
J20_0606B26: 永三年七月十六日)等あり。其他德川家の祖先及重
J20_0606B27: 要なる靈位菩提所として。及支族の菩提所として。
J20_0606B28: 常紫衣の宣旨を賜はりしもの甚多し。即三河國には
J20_0606B29: 鴨田の大樹寺。松平の高月院。岩津の信光明寺。能
J20_0606B30: 見の松應寺あり。駿河國駿府に寶臺院あり。尾張國
J20_0606B31: 名古屋に建中寺あり。越前國福井に運正寺あり。紀
J20_0606B32: 伊國和歌山に大智寺あり。江戸には西久保に天德
J20_0606B33: 寺。淺草に誓願寺あり。孰れも德川氏の奏請により
J20_0606B34: 紫衣の永宣旨を賜ひたり。

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