浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J20_0555A01: | に遭ひ。伽藍器具什寶等擧て烏有に歸す。起立塔像も |
J20_0555A02: | さることながら。彼に取りては之よりも尚緊急なるも |
J20_0555A03: | のあり。即學徒の敎養と鈔疏の撰述是なり。是を以 |
J20_0555A04: | て瓜連の復興事業は末葉に讓り。爾後講學述作を以 |
J20_0555A05: | て專務とせり。然るに當時干戈相接し。屢師が講學 |
J20_0555A06: | を妨げ述作を障へたり。即應永三年直牒述作の際に |
J20_0555A07: | は。佐竹氏の亂により郡中の緇素四方に逃散した |
J20_0555A08: | るを以て。師も亦久慈郡川島村阿彌陀山に隱遁し。 |
J20_0555A09: | 山中の巖穴に蟄居し。乾柿飢餓を凌ぎ巖滴渴を醫し。 |
J20_0555A10: | 刻苦辛うじて之を大成したり。直牒の引文に間間訛 |
J20_0555A11: | 誤あるは盖參考書なく。暗記により成されたるによ |
J20_0555A12: | ると云ふ。 |
J20_0555A13: | 是より先。明德四年十二月五重宗脉を立て之を弟 |
J20_0555A14: | 子聖聰に授く。是本宗五重相傳の濫觴なり。此年聖 |
J20_0555A15: | 聰武州貝塚に增上寺を開き。一方の叢林となせし |
J20_0555A16: | が。應永二十二年小石川に小菴を構へ師を請す。師瓜 |
J20_0555A17: | 連の寺務を弟子明譽了智に附して之に赴く。時に年 |
J20_0555B18: | 七十五なり。其菴は聖冏菴と稱し。今極樂水宗慶寺 |
J20_0555B19: | の故地なり。德川時代に至り東照公の生母水野氏の |
J20_0555B20: | 遺骸を此近地に埋窆し。傳通院を營建して香華院と |
J20_0555B21: | なすに及び。師を以て開山と定む。小石川の菴居にあ |
J20_0555B22: | りて日夕稱名講學述作を事としたりしが。應永二十 |
J20_0555B23: | 七年九月二十七日。聖冏菴に示寂す。壽滿八十。遺偈 |
J20_0555B24: | あり云く。放行把住滿八十年即今端的知不識日輝東 |
J20_0555B25: | 山月西天と。著す所傳通記糅鈔四十八卷。決疑鈔直牒 |
J20_0555B26: | 十卷。往生禮讚見聞二卷。一枚起請文註解一卷。顯淨 |
J20_0555B27: | 土傳戒論一卷。淨土付法傳一卷。略名目圖一卷。淨土 |
J20_0555B28: | 名目圖見聞二卷。往生記投機鈔一卷。授手印傳心鈔 |
J20_0555B29: | 一卷。領解授手印徹心鈔一卷。決答疑問銘心鈔二 |
J20_0555B30: | 卷。五重指南目錄一卷。十八通二卷。同裏書一卷。 |
J20_0555B31: | 淨土二藏二敎略頌一卷。同頌義三十卷。頌義見聞八 |
J20_0555B32: | 卷。心具決定往生義一卷。報恩謝德鈔一卷。鹿島問 |
J20_0555B33: | 答一卷。隼疑冏決集一卷。觀心要決集一卷。不思議 |
J20_0555B34: | 鈔一卷。佛像幖幟義一卷。勸心往生論慈訓鈔一卷等 |