浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0516A01: | 義校合の一事を除きては。全く傳聞する所なし。蓮 |
J20_0516A02: | 寂との校合のことは。敕修傳四十六には『文永の頃』 |
J20_0516A03: | とするも。此時のこととするが隱當なるが如し。何と |
J20_0516A04: | なれば。かかる好機會を逸し。空しく二十年後に至 |
J20_0516A05: | て。宗義校合の如き大事を成すべからざればなり。 |
J20_0516A06: | 遮莫。法蓮房信空は是より先二十年。安貞二年九月 |
J20_0516A07: | 九日入寂し。勢觀房源智も亦二祖と同年。嘉禎四年 |
J20_0516A08: | 十二月十二日西化し。京都に於ける宗祖門下は。漸 |
J20_0516A09: | 漸に落謝し。僅に乘願房・念佛房・正信房等數人を餘 |
J20_0516A10: | すのみ。此等門弟も極めて頽齡にして。餘命幾ばく |
J20_0516A11: | も期すべからず。於是三祖は勢觀房の弟子蓮寂と宗 |
J20_0516A12: | 義校合の事を思ひ立ち。東山赤築地に於て。四十八 |
J20_0516A13: | 日の別時念佛を修行し。蓮寂と兩流の義を比較した |
J20_0516A14: | るに。全く符合一致したるにより。蓮寂は鎭西の義 |
J20_0516A15: | を以て己流と定め。法孫に於て別に流義を立つ可ら |
J20_0516A16: | ざるの旨を宣言せりと云ふ。淨意尼深く三祖に歸依 |
J20_0516A17: | し。檀那を募り資具を備へて。後顧の憂なからしむ |
J20_0516B18: | べければ。永く京都に在住して。弘法施化せられんこと |
J20_0516B19: | を懇願せるも。再會を約して幾もなく東國敎化の途 |
J20_0516B20: | に上れり。かく速に三祖が京都を離れし動機不明な |
J20_0516B21: | るも。強ひて想像すれば京都は宗祖一代の化跡にし |
J20_0516B22: | て。又多くの門弟諸處に散在したるが故に。淨土敎 |
J20_0516B23: | の敎化は略洽ねかりしなるべし。故に二祖の訓誡に |
J20_0516B24: | 膺へ。敎化の恩を報ぜんには。寧宗祖及二祖が未だ |
J20_0516B25: | 敎化に指を染めざりし。東國に敎化することを以て。 |
J20_0516B26: | 一層適切なることを考へしによるに非るか。 |
J20_0516B27: | (二) 信濃及兩總 |
J20_0516B28: | 京都を出て。伊勢尾張等を經て。信濃の善光寺に |
J20_0516B29: | 詣でたるは。寶治二年中にありしか。其の翌建長元 |
J20_0516B30: | 年なりしか不明なり。三祖が善光寺如來に參詣せる |
J20_0516B31: | は。日本最初の古佛として。はた淨土敎の本尊たる |
J20_0516B32: | を以て。一は未來の引接を祈り。一は東國敎化に對 |
J20_0516B33: | し冥祐加護を禱らんとの。淨土敎信者に共通なる理 |
J20_0516B34: | 由のほか特別の理由あり。そは西下傳法の事跡によ |