ウィンドウを閉じる

J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0501A01: 念佛集名體決。念佛本願義(全書第八卷)。淨土依憑
J20_0501A02: 經論章疏目錄(又長西錄と稱す)あり。淨土源流章
J20_0501A03: には。此外に彼が門弟澄空。理圓兩人の論諍を決判
J20_0501A04: する爲に著せる五劫思惟諍論鈔と稱する書ありと傳
J20_0501A05: ふるも。散逸して傳はらず。
J20_0501A06: 長西門下は源流章に澄空。理圓。覺心。阿彌陀
J20_0501A07: 房。空寂。十地。道敎。上衍。證忍を列す。澄空。
J20_0501A08: 理圓は共に天台の學匠たりしが。後に長西に從ひ淨
J20_0501A09: 敎を習ひ。曾て法藏比丘の五劫思惟は。思行何れな
J20_0501A10: るかを諍論し。長西五劫思惟諍論鈔を造りて之を決
J20_0501A11: 判せりと云ふ。覺心は倶舍論釋論に精通したりし
J20_0501A12: が。師跡を禀けて讚岐西三谷の寺に住し所承を弘む。
J20_0501A13: 泉涌寺覺阿之に從ひ淨敎並に倶舍を學ぶ。覺心門下
J20_0501A14: 又西覺あり。兼て證忍に學ぶ。阿彌陀の下禪信あ
J20_0501A15: り。知足院了敏又阿彌陀に從ひ淨敎を學ぶ。空寂は
J20_0501A16: 著述多く。大日經疏五卷。觀經疏記八卷。元照彌陀
J20_0501A17: 經疏鈔三卷等ありしと云ふ。道敎は關東に於て講布
J20_0501B18: し末葉連綿たりしと云ふ。上衍。證忍は師跡九品寺
J20_0501B19: に住し所承を弘め其感化大なりしと云ふ。
J20_0501B20: 六 善信房親鸞
J20_0501B21: 親鸞は。日野有範の子。四歳父を喪ひ。八歳母を
J20_0501B22: 亡ひて。後伯父範綱に養はる。養和元年春九歳にし
J20_0501B23: て。靑蓮院慈圓の門に投じて出家し。範宴と號し。其
J20_0501B24: 冬登壇受戒す。建仁元年廿九歳にして宗祖の門に入
J20_0501B25: り。名を綽空と改め。宗要を學ぶ。或時九條公の
J20_0501B26: 請。宗祖の命により妻帶するに至りたると傳ふるも。
J20_0501B27: 妻帶は事實ならんも。公請祖命は信ずべからず。建
J20_0501B28: 永二年蓮樂の事に坐して。宗祖と同時に越後に配流
J20_0501B29: せられたりと傳ふ。然るに其越後に布敎せるは事實
J20_0501B30: なるべきも。配流の事史實の徴すべきなし。後名を
J20_0501B31: 善信と改めしが。更に親鸞と改めたり。建曆二年越
J20_0501B32: 後より東北諸國に遊化すること二十餘年なりしが。其
J20_0501B33: 間元仁元年常陸國茨城郡稻田に在りて敎行信證文類
J20_0501B34: 六卷を著す。是彼が主張の宣言にして。彼宗の開創

ウィンドウを閉じる