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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0498A01: 馬に改めらる(念佛者追放宣狀事)。律師がいかに山
J20_0498A02: 門衆徒の憎惡する所なりしかを見るべし。
J20_0498A03: 律師は配謫の宣命下るとききしも。些も驚く所な
J20_0498A04: く。長樂寺來迎房に。最後の七日如法念佛を修行し
J20_0498A05: たる後悠悠として配處に下向せり。
J20_0498A06: 律師東送の役を命ぜられしは森入道西阿(大江廣
J20_0498A07: 元息季光)なり。然るに西阿は熱心なる念佛者にし
J20_0498A08: て。寶治元年六月五日三浦泰村の叛亂に加り。戰利
J20_0498A09: あらず自殺せんとするに臨み。諸衆を勸請し。一佛
J20_0498A10: 淨土之因を傾けんが爲に。法事讚を修行し之を廻向
J20_0498A11: したる(東鑑卅八)程の人なり。或は京都にて師弟
J20_0498A12: の契ありしも知るべからず。故に律師の老邁の身に
J20_0498A13: して。遠寒の地に赴くを見るに忍びず。策を搆へて
J20_0498A14: 律師の代理として其門弟實成房を配處に遣し。律師
J20_0498A15: は自己の領地相模飯山(愛甲郡に在り今小鮎村と改
J20_0498A16: む。眞宗光福寺あり律師を開基とす)に置き。欵待崇
J20_0498A17: 敬を盡せり。かくて律師は後配所對馬に赴かざりし
J20_0498B18: のみならず。初の配處たる陸奧にも赴かずして。相
J20_0498B19: 模飯山に止りしが。而も老衰に加ふるに風痾に冐か
J20_0498B20: され。同年仲冬病床の人となり。西阿の看病も効な
J20_0498B21: く。十二月十三日。高聲念佛二百餘遍。又彌陀身色
J20_0498B22: 如金山の讚文を唱へ。門弟正智。唯願等に看護せら
J20_0498B23: れて入寂せり。春秋八十なりしと云ふ。彼の著述と
J20_0498B24: して傳へらるるものに捨子問答二卷。閑亭後世物語
J20_0498B25: 二卷。宗祖祕傳三卷。一念多念分別事一卷。自力他
J20_0498B26: 力事一卷等あり。
J20_0498B27: 隆寬律師の門下に就ては。淨土源流章は。敬日
J20_0498B28: 最須敬重繪詞敬日房圓海。智慶道號南無。信阿。聖實。理觀。如性六人を
J20_0498B29: 擧げ。敬日門下に慈信最須敬重繪詞慈信房澄海。慈信門下に。唯性
J20_0498B30: を出し。智慶門下に。隆慶道號敬願。信樂。信承の三人。
J20_0498B31: 隆慶門下に。長空道號信敎隆慶甥也。能念。長空門下に。寬海
J20_0498B32: 道號空藏。能念門下に。觀念。了念兩人を出す。
J20_0498B33: 敬日は師承に違し。諸行は非本願なれども報土に
J20_0498B34: 生ず。觀經九品の中上上品は報土。餘は邊地なりと主

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