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J3060 浄土宗史 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0488A01: 親しく給仕したる門弟なり。平家の遺孤にして。建
J20_0488A02: 久六年十三歳を以て宗祖の門に投ぜしが。宗祖之れ
J20_0488A03: を慈鎭和尚に進じ。其の門室に出家せしも幾もなく
J20_0488A04: 宗祖の禪室に歸參し。爾後宗祖入滅に至るまで十八
J20_0488A05: 年間常隨給事し。宗祖も之れを愛撫し。道具本尊房舍
J20_0488A06: 聖敎(感西の分と其他の殘餘なるべし)を彼れに附屬
J20_0488A07: せられ。入滅に先ち一枚起請文を彼に授けられしと
J20_0488A08: 傳ふ。宗祖滅後は隱遁を好み。自行に專にして衆人群
J20_0488A09: 集の中に説法談話することを嫌忌せり。曆仁元年十二
J20_0488A10: 月十二日。五十六歳を以て功德院賀茂神宮堂也の廊に寂す。
J20_0488A11: 知恩院百萬遍は共に源智を以て第二祖となす。然ら
J20_0488A12: ば伽藍相承の上よりすれば。彼は宗祖の正統を承繼
J20_0488A13: せるものと謂ふべきなり。
J20_0488A14: 客弟のことは別に説を須ゐず。直弟と稱せらるべき
J20_0488A15: 人人は其數最も多し。聖光房辨長。善慧房證空。隆
J20_0488A16: 寬律師。聖覺法印。正信房湛空。俊乘房重源。覺明
J20_0488A17: 房長西。成覺房幸西。法本房行空。善信房親鸞。西
J20_0488B18: 仙房信寂。朝日山信寂。金光坊。空阿彌陀佛。乘願
J20_0488B19: 房宗源。淨蓮房源延等は其後世に知らるる重なる人
J20_0488B20: 人なり。中に於て聖光房辨阿は傳法の正統なれば別
J20_0488B21: に之を詳説すべく。其餘の人人の中。證空。幸西。
J20_0488B22: 行空。親鸞。隆寬。長西は正統以外に一流を樹立し
J20_0488B23: たるを以て。殊に注意に値す。
J20_0488B24: 普通宗祖門下の別義を建立し一派を形成したる者
J20_0488B25: を筭へて四流となす。即辨阿。證空。隆寬。長西是
J20_0488B26: なり。而して幸西。行空。親鸞は。其主張が餘りに
J20_0488B27: 祖説に相違せるを以て。宗祖在世に異端として。門
J20_0488B28: 下を擯斥せられたりとの理由を以て。之を加へざら
J20_0488B29: んとするにあり。然れども此説は啻に事實に反する
J20_0488B30: のみならず。理論の上に鉾楯を有す。行空。親鸞は且
J20_0488B31: く之を措くも。幸西が門下を擯斥せられたりとは後
J20_0488B32: に辨ずる如く事實に反す。又彼が唱へたりと云ふ一
J20_0488B33: 念義を云云すれども。源流章等により其主張を窺ふ
J20_0488B34: に。常途解せらるる所とは大に異にして。彼の主張

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