浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0486A01: | 始め百九十名の署名あるも。三日に亘りて記名せる |
J20_0486A02: | ものとて。再出三出等重復あれば百七十餘名を出で |
J20_0486A03: | ざるべし。此外祖傳其他書中に出づるもの三四十名 |
J20_0486A04: | あり。合して二百餘名なるも。中に於て多少傳記事 |
J20_0486A05: | 跡の尋ぬべきは四十餘人に過ぎざるなり。 |
J20_0486A06: | これ等諸弟子の間には幾多の種類あり。これを分 |
J20_0486A07: | 類することは種種の點に於いて便宜尠からず。即ち |
J20_0486A08: | 宗祖の菴室に同居し。或は近傍に住居して。宗祖の |
J20_0486A09: | 起居寢食等日常の用務を辨じ。内に在りて宗祖の傳 |
J20_0486A10: | 敎弘通を助成したる者は。常隨給仕の弟子とも稱す |
J20_0486A11: | べく。時時菴室を訪ひて法話を聽聞し。或は終始宗 |
J20_0486A12: | 祖に隨從すれども他宗の寺院或は別處に住して。日 |
J20_0486A13: | 夕其菴に在ざる者は。受法問道の弟子とも稱すべく。 |
J20_0486A14: | 而して此等受法問道の弟子の中にも。宗祖の信德を |
J20_0486A15: | 敬慕し。法義を承問することあるも。依然本宗本寺を |
J20_0486A16: | 離れざる者は。之を客弟子とも名くべく。其宗祖の |
J20_0486A17: | 門下に在りて出家し。或は他宗より來るも全く宗徒 |
J20_0486B18: | となれるは。之を直弟子とも稱すべし。 |
J20_0486B19: | 常隨給仕の弟子として知らる人は。法蓮房信空。 |
J20_0486B20: | 眞觀房感西。勢觀房源智等前後數人に過ぎざりしが |
J20_0486B21: | 如し。就中法蓮房信空は初叡空の弟子なりしも。叡 |
J20_0486B22: | 空滅後宗祖の門に入る。然れども同菴のことなれば。 |
J20_0486B23: | 最初より師資と同じかりしかば。隨從の年月最も長 |
J20_0486B24: | く。宗祖の親任門弟の心服も甚深厚なりしが如し。彼 |
J20_0486B25: | が宗祖七七忌日の諷誦文に。『先師廿五歳の昔。弟子 |
J20_0486B26: | 十二歳の時。忝なくも師資の契約を結び。久しく五十 |
J20_0486B27: | の年序を積めり』と云ひ。又『北嶺黑谷の草菴に宿 |
J20_0486B28: | せしより。東都白河の禪房に移りしに至るまで。其 |
J20_0486B29: | 間撫育の恩といひ。提撕の志といひ。報謝の恩昊天 |
J20_0486B30: | 窮りなし』と云へるによれば。彼は宗祖廿五歳の時 |
J20_0486B31: | 入門し。叡山黑谷より諸處に隨從して。五十六年の久 |
J20_0486B32: | しきに及び。宗祖の撫育提撕を受くること莫大なりし |
J20_0486B33: | が。彼も亦よく宗祖に奉事したることは。沒後遺誡文 |
J20_0486B34: | に。『門徒雖多信空實是多年給仕弟子因爲表懇志 |