浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J20_0390A01: | はす同家も亦執奏を拒む。上人駿府に到り之を訴ふ。 |
J20_0390A02: | 照公命して武家傳奏によらしむ。同月晦日 後陽成天 |
J20_0390A03: | 皇勅して紫衣を賜ふ。同十七年九月十三日寺内火を |
J20_0390A04: | 失し影堂方丈庫裡等燒亡し大師の影像も烏有に皈し |
J20_0390A05: | 給へり。豐臣秀賴公直に影堂を再興せしむ朞年にし |
J20_0390A06: | て成る奉行宮城丹波守なり。同十八年九月上人駿府 |
J20_0390A07: | に徃き照公に謁し藝州瀨戸田に大師直作の影像ある |
J20_0390A08: | ことを聞す。公領主福島正則に命して之を徴せしめ且 |
J20_0390A09: | つ先規に凖して寺領百三十石の判物を賜ふ。十月十 |
J20_0390A10: | 五日大師の影像を安藝より迎へて影堂に安す諸人群 |
J20_0390A11: | 參すること市の如し。翌年三月照公令して毎年諸末寺 |
J20_0390A12: | を集會し開祖の御忌を盛修せしむ。上人の住世超覺 |
J20_0390A13: | 院養壽院養親院安中院廓旃庵西雲院等の子院立つ。 |
J20_0390A14: | 上人照公の皈崇を博し曾て布薩戒を授く。元和二年 |
J20_0390A15: | 淨閑寺に退隱し同三年十一月廿一日寂す壽七十三。 |
J20_0390A16: | ○第二十七世桑譽了的上人 |
J20_0390A17: | 傳蓮社導故と號す。姓は近藤氏甲斐の人なり。七歳に |
J20_0390B18: | して郡の瑞泉寺大譽に投して剃髮し。十七歳武州上 |
J20_0390B19: | 簔に赴きて觀智國師に師事す。慶長十三年日蓮宗徒 |
J20_0390B20: | と法問を鬪はし頗る東照公の信賴を博す。後ち徒衆 |
J20_0390B21: | 百余人を率ゐ小田原大蓮寺に移り法幢を建つ。元和 |
J20_0390B22: | 二年八月當山に晋董し紫衣の綸旨を賜はる。同三年 |
J20_0390B23: | 八月淺野但馬守長晟の室正淸院殿東照公の女葬儀の導師を勤 |
J20_0390B24: | む是によりて廟所を當山に設け寺領百石を寄進せら |
J20_0390B25: | る。上人の住世雲光院尼公の住宅を賜はりて講堂を |
J20_0390B26: | 營み又梵鐘鐘樓鎭守堂を構へ崇源院殿秀忠公御臺所峯巖院 |
J20_0390B27: | 殿駿河大納言の墳廟を興す。又善敎院南龍院萬福寺光守院 |
J20_0390B28: | 等の子院を開く。元和三年及ひ九年二條城に於て秀 |
J20_0390B29: | 忠家光二公一枚起請文を拜覽せらる上人身長六尺其 |
J20_0390B30: | 聲雷の如く解行俊利衆人悅服す當山の今日ある上人 |
J20_0390B31: | に俟つ所甚だ多し。寬永二年十一月家光公命し 縁 |
J20_0390B32: | 山に轉昇せしむ。同七年八月十五日寂す。壽六十九。 |
J20_0390B33: | ○第二十八世徃譽潮呑上人 |
J20_0390B34: | 源蓮社信入と號す。姓は熊野氏武州埼玉郡の人なり。 |