浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0347A01: | 御母敬法門院御菩提の爲に御寄附し給ふものなり |
J20_0347A02: | 當院の寶物什器の類中古より傳奏萬里小路家に預 |
J20_0347A03: | けありしも明治維新後同家東京移轉により當院に還 |
J20_0347A04: | 納せらる 舊記によるに當院往昔は境域廣く寺領ま |
J20_0347A05: | た多かりしと云ふ第十世慧照國師の代には佛供料七 |
J20_0347A06: | 百餘石を收め城州伏見宇治攝州武庫郡江州栗太郡等 |
J20_0347A07: | に領地ありしも應仁の兵亂より武家に奪はれ豐太閤 |
J20_0347A08: | の時城州田中村に於て寺領五十石の寄附あり德川家 |
J20_0347A09: | 執政に及び之を朱印となし寄附せらる新黑谷光明寺 |
J20_0347A10: | はもと當山の別院なりしも德川三代將軍の時當山末 |
J20_0347A11: | 四百餘箇寺を携へて獨立せしかば當山の勢力これか |
J20_0347A12: | 爲に减殺せらるるに至れり明治維新に際し寺領を上 |
J20_0347A13: | 地せしかば寺資の窮乏殊に甚しく門末之を嘆き應分 |
J20_0347A14: | の献納をなし以て本山維持の資に供せりと云ふ |
J20_0347A15: | ○第二 歷代 |
J20_0347A16: | ○開山慈覺大師 |
J20_0347A17: | 諱は圓仁、姓は壬生、下野州都賀郡に生る幼にして |
J20_0347B18: | 聰明同郷大慈寺の廣智に從て叡嶽に登り傳敎大師に |
J20_0347B19: | 就て學ふ承和二年入唐請益の詔を拜し同五年七月大 |
J20_0347B20: | 使に從て唐國楊州の海陵縣に到り梵學を宗叡に密敎 |
J20_0347B21: | の灌頂を全雅に摩訶止觀を志遠法師に受け長安の大 |
J20_0347B22: | 安國寺良侃淨影寺惟謹に見え共に器許密付せらる師 |
J20_0347B23: | 長安に於て經書五百五十九卷念珠法物若干を得承和 |
J20_0347B24: | 十四年九月太宰府に歸着す即所齎の經典等を献す仁 |
J20_0347B25: | 壽元年五臺山の念佛三昧法を以て諸徒に授け常行三 |
J20_0347B26: | 昧を修す同四年延曆寺の座主に任せらる齊衡三年冷 |
J20_0347B27: | 泉院の南殿に於て主上に兩部灌頂を授け奉り又彌陁 |
J20_0347B28: | 如來の因願果成の功德を説き奉るに主上をはじめ奉 |
J20_0347B29: | り太皇大后宮女公卿太夫に至るまで皆此旨に歸し給 |
J20_0347B30: | ひて彌陀の誓を賴み易行の名號を唱へざるはなかり |
J20_0347B31: | き貞觀年中菩薩戒を授け奉りしかば 大内に四箇大 |
J20_0347B32: | 寺御建立あるべき勅願を發し給ふ就中淸淨華院は貞 |
J20_0347B33: | 觀五年輪奐美を盡くして諸堂成就し同年當院を退住 |
J20_0347B34: | し叡山に還り同六年正月十四日寂す壽七十一同八年 |