浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0291A01: | 感諾の上傳通院は國師の弟子所化廓山へ被仰付 |
J20_0291A02: | 按るに文祿二年より善導寺住職あられ慶長五年秋 |
J20_0291A03: | 彼山を辭して上京し又は何となく御祝陣と申善導寺を立出伏見にて御目見もすみ引つつき京へ出 |
J20_0291A04: | 仕の處台命により再彼方へ歸山なく御供せしならんか又は傳通院の御内沙汰などありて又大念寺に歸錫あられしならんか故に善導 |
J20_0291A05: | 寺にては日日に師を待らけれど歸山なき故に一山立腹し世代を除去せるか前に合せ見るべし直に當山へ歸 |
J20_0291A06: | 山あられしならむか此中間江戸崎には住持の定め |
J20_0291A07: | もなく看護にひとしく老輩の僧をととめ置かれし |
J20_0291A08: | なるへしいつれにも師の本心當山を以て本所位牌 |
J20_0291A09: | 所と定置れし故に傳通院をも辭せられしなるべし |
J20_0291A10: | 土浦城主松平伊豆守信一慶長六年入部度度使者にて師を請 |
J20_0291A11: | 待し寺を彼地にうつすべき旨有しかと淨門の知識と |
J20_0291A12: | 遠近の里民歸敬強止有けれは師ももたしかたしと止 |
J20_0291A13: | らる依之後に師の高弟眞譽一諾上人を彼地に請せら |
J20_0291A14: | れ歸依あられしを家嫡安房守信吉の時に及ひ淨眞寺 |
J20_0291A15: | を創建菩提所と定られしなり |
J20_0291A16: | 慶長十九年元和兩度大坂御陣の時供奉せられ落去後 |
J20_0291A17: | 於伏見城黄金三十枚砂金五包白銀三百枚其外法具文 |
J20_0291B18: | 庫拜領あり |
J20_0291B19: | 按るに是黑本尊并御先祖方の御供養のため了的廓 |
J20_0291B20: | 山を始平生御目見なと申上し宗門の僧の内御歸依 |
J20_0291B21: | の分數人を召具せられしなり然るを宗徒の内にて |
J20_0291B22: | も了的廓山なとの御陣中供奉は御合戰の御謀談の |
J20_0291B23: | 爲なと言ならはせしは實に不正の者の説なるべし |
J20_0291B24: | 神祖既に謀士補佐の臣數萬人を被爲召連又御尊身 |
J20_0291B25: | 無双の名君にてましませはいかでか僧家に攻戰の |
J20_0291B26: | 道尋させ給ふべきや併ら軍中なれは御供養の外御 |
J20_0291B27: | 祝禱の爲なとの仰付もあり又常に御座近く召せら |
J20_0291B28: | れ御法話又は御閑夜なとの御咄の御伽には時時召 |
J20_0291B29: | されけるなり是敵徒の中と云へども立はなれし僧 |
J20_0291B30: | 身故所によりては先方の機密變謀なとをさぐらせ |
J20_0291B31: | らるべき御用にも用ひさせられんが爲才智勝れし |
J20_0291B32: | 不殘呑龍慶岩了的廓山源榮なとを始其時により召 |
J20_0291B33: | 具せられし事數度なり唯一途に心得べからずあな |
J20_0291B34: | がち御供養の爲はかりにもあらさるべし時により |