浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0289A01: | 小鍛冶宗近の刀を是まで守刀とせしを初て證譽に讓 |
J20_0289A02: | り學問出精ありしかはもとより聰明絶倫内外の典に |
J20_0289A03: | 涉獵ありし後十八才時遙に傳法の幽要を求探らんか |
J20_0289A04: | ため元龜三年申春川越蓮馨寺へ初入寺感譽上人の座 |
J20_0289A05: | 下に法問論議し又諸山を經廻し天正八年增上寺へ入 |
J20_0289A06: | 寺し法席につらなり感譽上人遷化の後は觀智國師の |
J20_0289A07: | 嗣法上足となりて一時の法將たり天正十八年寅十月 |
J20_0289A08: | 常陸國江戸崎に至り説法勸化の時城主芦名修理太夫 |
J20_0289A09: | に對面し東國戰記を案ずるに江戸崎城主は此頃土岐美濃守なり寺記又同じ芦名は會津より沒落し來れるなり後藩 |
J20_0289A10: | 臣に此僧は内府公御目を掛らるる出家なり殊に又長 |
J20_0289A11: | 學豐文なり歸依崇敬すべしとありければ家臣百姓悉 |
J20_0289A12: | く歸依し當寺草創に至り數多人夫地形を平げ古山を |
J20_0289A13: | 穿時誕生釋迦を堀出故に翌年普請未成就なりしか |
J20_0289A14: | と四月八日の入佛と定む此事棟札有之天正十九年增上寺存 |
J20_0289A15: | 應上人より條目一通算題一法句の則をわたし所化五 |
J20_0289A16: | 十人を遣はされ一夏法幢を執行あり此法問中神祖 |
J20_0289A17: | の命によりて縁山より了的廓山の兩上人當山へ入來 |
J20_0289B18: | あり |
J20_0289B19: | 神祖天正十八年御入國後關左に十八城を定させら |
J20_0289B20: | るべき尊慮あらせけれは御宗門の中大小の寺院に |
J20_0289B21: | 拘りなく時の知識の德學双備を知聞させられ學徒 |
J20_0289B22: | 輻湊の師の會下を十八檀林と定めさせ給ふべき密 |
J20_0289B23: | 密の御高慮ましましけれはそれそれ地理山形林樹 |
J20_0289B24: | の形勢なと此廓山了的の二子を遣はされ何となく |
J20_0289B25: | 法義に事をよせられ給ひしと也此事誰も心付もの |
J20_0289B26: | もなかりしかと後慶長七年十八檀林を仰出されし |
J20_0289B27: | に及ひて知りけるなり是れ全く是まて關八州は寇 |
J20_0289B28: | 讎の徒のみ住けれは御入國ありといへとも城主の |
J20_0289B29: | 心中并に民の心いかかなと内内御含にて僧を以御 |
J20_0289B30: | 内内の密目鑑に比せられしなるべし |
J20_0289B31: | 同年冬安居の時所化傳法相承を乞ふと雖師存する旨 |
J20_0289B32: | 有けれはいまた傳法はしかるへからすと許諾なしこ |
J20_0289B33: | こに誰人ともしらず銅佛の彌陀を一躰持來りしを町 |
J20_0289B34: | の檀家の中にて買求め十念寺へ寄附ありしをひそか |