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J2980 深川霊巌寺志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0244A01: しかば師の德風且集會大衆の員數等により當山其隨
J20_0244A02: 一に定り白簱傳灯の大法師位に仰付らるこれより師
J20_0244A03: いよいよ大衆の敎誡宗門弘通に丹棘を抽でらる
J20_0244A04: 當山創建
J20_0244A05: 師房總止錫の間檀家の請により時時出府あられしか
J20_0244A06: ど宿所は法縁の寺院又は在家の寄寓なり是本意にあ
J20_0244A07: らず又隨伴の中自然心得違ありては佛祖への慚愧お
J20_0244A08: そるべき事なりいかにも小寺を一宇起立し宿院とな
J20_0244A09: さばやと寬永元年此旨を檀家堀庄兵衞に談しわれ地
J20_0244A10: 境を愛するにはあらされど宗門興隆眞俗繁榮利益有
J20_0244A11: 情のためなればいかにもして江戸にうつり一宇建立
J20_0244A12: せんとありし時堀氏いかにも承りぬ出府の節地所を
J20_0244A13: 見立んと方方尋求けるに日本橋より十丁ほど下り廣
J20_0244A14: き芦原あり潮さし引沼にて向井將監忠勝の下屋舗な
J20_0244A15: り是を向井氏に乞けるに望にまかすべしとありしか
J20_0244A16: ば師欣然として東西一丁餘南北二丁程乞うけ茶船を
J20_0244A17: あまた集め土を運ひ地の高き所にても五六尺づづ堤
J20_0244B18: を築き低所は七八尺又は一丈餘宛築けるに四方の男
J20_0244B19: 女高貴の方方は紙扇袖袋などにてまで土を運び石を
J20_0244B20: 持よせらる師それそれわかちなく十念血脉をさづけ
J20_0244B21: られけるに半年餘にして地成しかは先假に九間に八
J20_0244B22: 間の本堂七八間づづの庫裏方丈その外雜部屋下部屋
J20_0244B23: 客寮迄棟數六七を作りて自ら道本山靈巖寺と名けら
J20_0244B24:
J20_0244B25: 師始住職あられし生實大巖寺開山道譽上人は一流
J20_0244B26: の祖なれば其道譽流の本山といへる心にて山號を
J20_0244B27: つけ自名を後世に傳へ宗門弘通所たらんと行末を
J20_0244B28: 祝されしと云
J20_0244B29: 始門輩並檀家とも在府中の旅宿小庵と擬けるに今一
J20_0244B30: 寺とせられしかば行末の手あていかがなど案じける
J20_0244B31: もありしとぞ此時先に堂にて七日七夜の別時念佛を
J20_0244B32: 開闢し毎日二座の説法あり則ち建立せる所の堂を念
J20_0244B33: 佛堂と名け其後大將軍家へ寺地落慶の奏達すみけ
J20_0244B34: れば兩御所御目見仰出されけるさて十方遠近の貴賤

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