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J2930 結城弘経寺志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0124A01: 佛閣建立功德無量なり殊に淨門は末代相應の妙要諸
J20_0124A02: 宗不共の玄術なり若し君郷一寺を建たまはば昔日予
J20_0124A03: 飯沼に在住の弘經寺を北條氏の爲めに焚燒せられし
J20_0124A04: かば若新建の命あらば彼寺號を用ひ勅願所の舊業を
J20_0124A05: 移立すべきは貧道が所希也とありしにぞ宰相許可し
J20_0124A06: 佛閣落成の時山林竹木形勢無双の伽藍と成師を開山
J20_0124A07: とせられしかど師謙遜の上舊地の事どもを申立飯沼
J20_0124A08: の開山嘆譽良肇上人を開祖と定め自ら中興と稱せら
J20_0124A09: る是れより次第に遠近より學徒輻湊し門流玆に熾に
J20_0124A10: して常に法幢を立て盛に眞宗を弘通あり當郡もと淨
J20_0124A11: 家なし天言禪日時の五宗のみなりしに今創て國主の
J20_0124A12: 開創として念佛の淸音を道俗に聞しむる事是全く師
J20_0124A13: の鴻業にて釋中碩德のいたす所也
J20_0124A14: 堂閣縱橫
J20_0124A15: 本堂 九間半ニ九間高サ檐下迄一丈四尺十四世實譽
J20_0124A16: 上人再建
J20_0124A17: 本尊 彌陀座像四尺三寸惠心僧都作脇二菩薩共ニ
J20_0124B18: 一尺二寸同作
J20_0124B19: 延寶の始め檀家中西良喜と云ふもの信心勇猛にて
J20_0124B20: 常に佛閣建立の丹誠人に勝れ十八世一譽靈圓上人
J20_0124B21: と志を合せ延寶二年再び方丈を建立其時性西と云
J20_0124B22: 行脚僧佛を負來一宿を良喜宅に乞良喜何處より何
J20_0124B23: 所へ行と問ふ答て近江國より此本尊を奧州須賀川
J20_0124B24: へ負行くなりと又此本尊の靈驗をとくを聞詳する
J20_0124B25: に菰苞尊容全からす敢て停止すべからされは翌日
J20_0124B26: 性西奧州へ下向す其夜夢に一僧來り良喜に告我れ
J20_0124B27: 此地に因縁あれは重て來るべしと見頓て件の事を
J20_0124B28: 靈圓上人に語る圓公云此境有縁たるべし佛もし重
J20_0124B29: 來あらは敬留奉るべしと奇なるかな其秋果して右
J20_0124B30: の佛を性西持來り良喜に告て云我此尊を奧州へ移
J20_0124B31: 已り瑞夢を感ずる事三度に及下總國結城は有縁の
J20_0124B32: 地なり速に彼地に往壽龜山に移すべしと故に奧州
J20_0124B33: にて一宇を建立し不斷念佛を志すと雖靈夢三度の
J20_0124B34: 故に來り寄附すとこれによりて師檀和崇し本尊と

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