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J2880 新田大光院志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0005A01: 十二番なり其頃は參詣の緇素往來絡繹たり時に當
J20_0005A02: 山二十三世稱譽上人たまたま巡禮和讚の道歌を詠
J20_0005A03: し巡禮貴賤の男女に吟謠せしめらる
J20_0005A04: 救世の山たどりて登る岩か根の
J20_0005A05: 松のひびきもみのりなるらむ
J20_0005A06: 松響庵小鐘銘并序 當山二十七世龍譽銘畧之
J20_0005A07: 茶磨山 八王子山南の麓當山領内の小山なり畧之
J20_0005A08: 今熊野山 領内東山の嶺上の松山なり別當を東光院
J20_0005A09: 池本坊觀音寺と云縁起ありここに畧す
J20_0005A10: 羽黑山神藏山 母衣輪山皆當峰の別峰なり
J20_0005A11: 天神山八王子山大岵山小岵山八幡山杉山等皆當山境
J20_0005A12: 内領内と他領交隣の翠微の名別ありと雖今は悉
J20_0005A13: 略す
J20_0005A14: 甘露水 御廟東の方石壇下の古井なり 水鎭涌旱歳
J20_0005A15: と云へとも渴盡なし香氣味猶甘露の如し是開山滅
J20_0005A16: 度會下順應越後高田産の夢中感見の靈水なり縁起こと
J20_0005A17: に長し略玆
J20_0005B18: 快龍水 堂前庭面の深井なり當山境内處處に泉有然
J20_0005B19: れとも總是濁水にて當用に耐へす唯此一水のみ淸
J20_0005B20: 水常に湛日夜斟用すれども卒に減少なし縁由玆略
J20_0005B21: 舞雩池 本堂の乾御廟の坂下にあり若旱魃災をなす
J20_0005B22: 時は領内の農民新に沐浴し此池頭に臨み阿伽器を
J20_0005B23: 以て池水を挹開山前に至り雨を祈るにしるしあら
J20_0005B24: ずと云事なし
J20_0005B25: 不鳴池 古は勤學間の庭中にあり今小方丈の蓮池な
J20_0005B26: り其かみ群蛙遊泳し其聲殆と喧し專修の心を亂し
J20_0005B27: 修學の念を動す故に開祖或夜密に紙燭を挑げて池
J20_0005B28: 上に臨み神咒を加持し偈文を頌し喧口を封し去て
J20_0005B29: 後紙燭を池中に投却し十念を授與し方丈にかへる
J20_0005B30: 爾より群蛙口を緘して啞の如く其後此地に出生の
J20_0005B31: 田雞は天然の聲なし
J20_0005B32: 御茶水 領内小岵谷間茶磨山の東にあり里傳に義貞
J20_0005B33: 朝臣の御茶の水と云
J20_0005B34: 梨井 領内猿町の名水也此泉梨樹下より涌出因て名

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