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J2860 瓜連常福寺志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0772A01: 十五年二月十五日入寂
J19_0772A02: 寺説に云く天正十九年豐太閤の命に依四條寺町に
J19_0772A03: 移る
J19_0772A04: 其時寺領八百町有之と云後追日被沒收慶長年中
J19_0772A05: 御當家より 御朱印六石を賜下
J19_0772A06: ○曉蓮社天譽東凞顯月者花洛人宗風之四義を學究の
J19_0772A07: ため瓜連に入寺し冏師牌前にて二脉相承す止錫遊寓
J19_0772A08: 數年の後歸洛し天文元年來迎堂新善光寺を起立す
J19_0772A09: 寺記云鳥羽院勅額所天仁二年御造營供養導師觀律
J19_0772A10: 師七堂伽藍寺祿千町余數度燒亡並應仁文明後及破
J19_0772A11: 下略又云地藏尊者足利尊氏作之
J19_0772A12: 天文十三辰三月五日化後御朱印四拾五石九斗餘賜之
J19_0772A13: ○祖海和尚 近世往生傳二編卷三一丁左
J19_0772A14: 寬蓮社曠譽祖海常州水戸の人なり生れて葷腥を喫せ
J19_0772A15: す女人に對面する事をきらへりいとけなふして父母
J19_0772A16: をうしなひ孤となり祖母にやしなわれて長となれり
J19_0772A17: みつから僧とならんことをのぞみしかは常州常福寺
J19_0772B18: 祐月大和尚を拜して祝髮し座下に親炙して宗義をま
J19_0772B19: なふ遂に宗戒兩脉の祕授をうく大和尚後洛東花頂に
J19_0772B20: 勅請せられ大僧正に任し玉ひしかは師も洛に來り北
J19_0772B21: 野不動院古岑長老のもとにて螢雪の勤勞をつくせり
J19_0772B22: 後江戸に歸り增上寺祐信和尚の庵に居れり出ては法
J19_0772B23: 論塲に席をかさね入ては明窓下に寢食をわするしか
J19_0772B24: るに天明五年冬より心地常ならさりしか醫藥しる
J19_0772B25: しをうしなひ日をへておもく翌年春のはしめには起
J19_0772B26: 居もはや自由ならすこの故にみつから命數のかきり
J19_0772B27: をしり稱名晝夜おこたる事なし予にかたりていわく
J19_0772B28: 我生來多病なれはたとひながらへたりとも大業成し
J19_0772B29: かたしさらは往生して度生は還來を期せんと必死の
J19_0772B30: おもひをきわめし後は身心輕安にして病苦も忘るる
J19_0772B31: なりとそれより當麻の變相をかけて香花を供し稱名
J19_0772B32: ますます怠りなし發病より南枕に臥したりしか今は
J19_0772B33: 臨終もほとあるまじけれは頭北に直らせよとありし
J19_0772B34: かど右の脇にいたみありて苦しく見へし故往生は念

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