浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J19_0546A01: | 庭にあり |
J19_0546A02: | ○黄鳥の井は台德院殿御供水の井なり御所常に鶯を |
J19_0546A03: | 好ませたまひ日頃めでかはせられし數多の鶯を登霞 |
J19_0546A04: | ましませしのち籠のままにこの地にはなさせられし |
J19_0546A05: | かは其鶯年年にすごもりていまも此御山に聞ゆる聲 |
J19_0546A06: | はよその鳴音にことなり其ころ朝暮の御阿〓をくめ |
J19_0546A07: | るもの聲にめで時をうつせるより名づけしとなむ水 |
J19_0546A08: | 又淸澄として他にたぐひなし |
J19_0546A09: | ○紫色井は蓮池の北の方通元院のもとの地中にあり |
J19_0546A10: | 此水夏冷冬溫淸澄深湛一方に名水の名流れて炎天に |
J19_0546A11: | 損减なし往年學單上人此井より紫氣ののほれるを見 |
J19_0546A12: | られしより名つけられしとぞ |
J19_0546A13: | ○淸文の井天光院にあり三島谷いまだ玉川の水道を |
J19_0546A14: | つたへざりしさきは各寮の井水みな濁塩の氣味あり |
J19_0546A15: | て用るにうみけれは悉く此水をもとめ法問の筆錄講 |
J19_0546A16: | 書の謄寫までにももちひけれは淸くすみて問答淸弁 |
J19_0546A17: | なるをたとへ文筆のもの名づけしなり又或云もと伊 |
J19_0546B18: | 達家の時の用井なり政宗卿文武に名たたるをつたへ |
J19_0546B19: | てかく名づけ殘せりともいへり |
J19_0546B20: | ○伊達井は良源院にあり前に出せり |
J19_0546B21: | ○彩筆井は飯倉社の中にあり文人才子水を竹におさ |
J19_0546B22: | め願滿の書畵にもちひ書を人に敎ゆるの師はわけて |
J19_0546B23: | 常にこひもとめてかへりしかば兒女又ひとしく持か |
J19_0546B24: | へり筆硯に益ありと云傳へり此水又寒暑增减なくし |
J19_0546B25: | て菅公の文筆を仰くもの石盥〓身を淸めぬかつきて |
J19_0546B26: | 德光を仰けば名もおほろげならずして自性の淸冷所 |
J19_0546B27: | をえたるといふべからん歟 |
J19_0546B28: | 此外院寮の内に名たたる深井澄水も侍れとここに略 |
J19_0546B29: | す |
J19_0546B30: | ○七橋 |
J19_0546B31: | ○極樂橋は三門の前南にあり安國殿台德院殿へ參拜 |
J19_0546B32: | の公卿諸侯下乘の所なり此橋名は寬永三寅年より名 |
J19_0546B33: | つけしとなり又烏丸光廣卿御廟前にて長歌よませさ |
J19_0546B34: | さげられ此橋のもとにて遙拜ありて長歌は『黄葉集』にのす法に |