浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0537A01: | 望至らず五十位の行布圓融一分の觀解を得るも只是 |
J19_0537A02: | 義了の分齊なり殊に正法像法の時世をすぎ眞言の説 |
J19_0537A03: | によれは金剛部の利最の秋にして末世濁妄の今なり |
J19_0537A04: | もし僧毎に三衣一鉢樹下一宿して身を養はは法は人 |
J19_0537A05: | によりて弘塞わかちあるか故に他を度し法を弘通 |
J19_0537A06: | する事あたはず又佛子の種子を失べしされはとて小 |
J19_0537A07: | 子沙彌は自他宗ともに淸貧枯淡たりいやしくも多年 |
J19_0537A08: | 戒臘の座階宗功純修の極位に至りては其寺の格列を |
J19_0537A09: | たて又は惣錄官寺の主に至るか故に一身を其宗の興 |
J19_0537A10: | 廢につからし想念を寺門の隆夷にかくこの時におよ |
J19_0537A11: | びては且く世財の榮利あるににたりといへども誰か |
J19_0537A12: | 名利の財欲にふけらん傳聞神大祖君大樹寺に危難を |
J19_0537A13: | 遁れ給ひし時寺主登譽後日の證願ありし中に一宗寺 |
J19_0537A14: | 院に領をはぶき多を拒むの一章あり祿多けれは是驕 |
J19_0537A15: | 恣のもとひとして南都北嶺をたとへ無なる時は活食 |
J19_0537A16: | 報命三寶住持にたよりなしといへりむへなる哉もし |
J19_0537A17: | 三寶流布なき時は惡鬼邪神のわざはひありて諸天善 |
J19_0537B18: | 神の擁護をうしなへり故に祿あり僧みちて國家永久 |
J19_0537B19: | を保祈し金輪大樹の台齡を無窮に祝禱すへし是故に |
J19_0537B20: | 我中興國師命祿を遜受し徒を三千餘來遊せしめられ |
J19_0537B21: | しは西天震旦はいさしらす本朝には比例なし又德行 |
J19_0537B22: | 傑出のために封戸田園山林金帛を賜へるは既に釋氏 |
J19_0537B23: | といへとも臣なり何そ恩寵を辭し台慮にもとらむ唯 |
J19_0537B24: | 我宗のみにあらす海内の緇徒この意にもどる事ある |
J19_0537B25: | べからさるもの者歟 |
J19_0537B26: | 謹案るに北條氏足利家の代に寺院をそれそれ造立 |
J19_0537B27: | ましましけれといづれも所欣の者にのみ造らせら |
J19_0537B28: | れ歸依なきのものは佛道をしらず邊鄙孤島に生死 |
J19_0537B29: | するものは名を聞ぬものも多しここに東照宮登位 |
J19_0537B30: | の御始より海内に佛閣をひらかしめ津浦山隅のは |
J19_0537B31: | てまても寺院を建立させ給ひけれは念佛誦經密咒 |
J19_0537B32: | 論釋互に信受の宗榮へしにそ惡鬼邪神もすみか |
J19_0537B33: | を失ひ愚人野客も善心にうつり數百年の當今治 |
J19_0537B34: | 敎休明の御代は偏へに釋門興隆正法流布の揭然た |