浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0514A01: | 門に住持と稱するものは本尊是なり苟も剃髮染衣し |
J19_0514A02: | 僧衆に厠る者は一日といへども本尊を拜せずして佛 |
J19_0514A03: | 物を喰すべきやとはじめ縁山舊朔望佳節に衆徒詰朝 |
J19_0514A04: | に方丈に至り奉謁拜賀す師の住に及ひ朔望毎に先つ |
J19_0514A05: | 自ら大殿にのぼり大衆とともに本尊前に於て禮誦修 |
J19_0514A06: | 法し畢て後便座に就て衆禮をうく常に人の所長を揚 |
J19_0514A07: | て短に及ぼさず衆人德愛敬重する事前代いまだ聞ず |
J19_0514A08: | 溫潤應物人意を感ぜしめずといふ事なし性汎く衆を |
J19_0514A09: | 愛し好才し林下の學徒經論は固より論なし文學詩歌 |
J19_0514A10: | より書畵圍碁の小伎に至る迄凡一藝に名あるもの時 |
J19_0514A11: | 時召見し賞賜各分あり山衆皆感恩勵心克己して各各 |
J19_0514A12: | 所業をすすむ他宗の傑出德に歸嚮し來訪從崇し宗風 |
J19_0514A13: | を仰信するもの多し又詩文に寄せ德行を讃欽する事 |
J19_0514A14: | 勝てしるべからず執權侍從館林矦武元朝臣弟子の禮 |
J19_0514A15: | をとり其邸第へ請するの日は自ら送迎供膳あり鴻儒 |
J19_0514A16: | 南郭服子久く高致に歸し時時來禮敬崇す孝子仲英其 |
J19_0514A17: | 母をともなひ日課稱名を受しむ同十二午年秋蓮池に |
J19_0514B18: | 一莖並華を生す今年寺職を辭せん事を請ふ官命固く |
J19_0514B19: | 留めて許可なし又住務五年後頻に請奏ありしかば遂に許 |
J19_0514B20: | 命上使土岐美濃守久世出雲守役者在定曇龍へ傳達あらせられしにぞ一本 |
J19_0514B21: | 松の隱室にうつる是より先官命ありて修理を加へ堂 |
J19_0514B22: | 宇故に倍す後又地を縁山の山下谷に卜し妙定院と名 |
J19_0514B23: | く惇信院殿の神主を奉安し其冥福を祈り奉らる師素 |
J19_0514B24: | より山水を好まれしかど貴重年老たるゆへ意を放に |
J19_0514B25: | して登陟する事あたはずゆへに院の側にみづから山 |
J19_0514B26: | 水を營み禪餘其間に經行し餘年を養はる明和七寅年 |
J19_0514B27: | 十一月官命別に二百石を賜り上使牧野越中守土屋能登守閑室の資糧に |
J19_0514B28: | 備ふ妃宮官女みな黄金又は佛具莊嚴の資施あり列矦 |
J19_0514B29: | 權貴益益其德を慕ひ車駕干旄日日に輻輳す師老疲を |
J19_0514B30: | 忘れ止む事を得ずして請に隨ひ化導す明和八卯年の |
J19_0514B31: | 秋微恙にかかれり輙ち戸を閉諸縁を謝し專ら淨業を |
J19_0514B32: | 修す若し新故の老少來り謁すれば唯十念を授與し他 |
J19_0514B33: | の言ある事なし冬十一月に及ひ自ら臨終行儀の念佛 |
J19_0514B34: | を開白し侍者をして相續せしめ氣息日日に衰へしか |