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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0513A01: 識』等を講し請によりて『指要抄』を講する事十餘遍
J19_0513A02: 衣食唯有る處に隨ひ別に貯る事なし山主の命により
J19_0513A03: 經藏を司るある日大殿に集會するに忽ち鳩飛て懷に
J19_0513A04: いる經藏司たるの時は闕本は檗本を以て補入し又は
J19_0513A05: 自ら書寫し完全す在山四十餘年論講敎授に虚日なし
J19_0513A06: 寬保二戌年命によりて東漸寺に住す寺宇をG理し住
J19_0513A07: 居する事九年同午年常福寺に移住し四年にして寶曆
J19_0513A08: 三酉年又傳通院に轉移す同六子年秋四たひ命を奉し
J19_0513A09: 縁山に住す例により大僧正に任ず恭く總統の命を奉
J19_0513A10: 護法に命身をかへりみず宗徒も又久しく渴仰す一宗
J19_0513A11: を匡整して纎介の差ある事なし初其新に移て堂に上
J19_0513A12: るの日一烏飛來りて身をめぐりさらず昇座に及ひ飛
J19_0513A13: 去る咸云烏は是護山熊野神の役なり積德神靈を感ず
J19_0513A14: るものならむと是より國寵日日に厚く公卿列侯德風
J19_0513A15: を欽慕し車馬干旄常に朝市のごとし此時黑本尊大殿
J19_0513A16: の内に寄安し別殿あらず師上書し奏請す即公許請所
J19_0513A17: を可なりとして大殿の後面に當りて佛閣を構造し彫
J19_0513B18: 楹雲梁金銀珠玉光映目に粲たり今護國殿是なり同十三未年春
J19_0513B19: 又上書し大殿及諸堂を修せむ事を請ふ命ありて丹羽
J19_0513B20: 二本松の城主をして力役を給せしめ落成す殿堂壯麗輪奐
J19_0513B21: 舊に倍す師素瓶花盆栽を好み諸矦大夫來て雅友とす
J19_0513B22: 惇大君薨御顧命奉葬し大導師たらしむ假の御法號を德巖院殿と奉號
J19_0513B23: 是よりさき師手づから彌陀の佛像を刻す宮女某來り
J19_0513B24: 是を拜禮し歸營大君につけ奉る大君命ありて左寶司
J19_0513B25: 某をして是をもとめ遂に宮中に安置尊崇したまふ大
J19_0513B26: 漸の御時枕上に奉安し迎接の像とす十月浚廟大方丈
J19_0513B27: へ入御憲廟後の初例なり又常に佛像を手畵し諸人に
J19_0513B28: 施す書に善筆に玄ありて人の需に應し諸寺の額を書
J19_0513B29: 事頗多し貴重に居るといへとも儉素節量して苟も物
J19_0513B30: 用を傷らずしかりといへども三寶の縁の爲には千金
J19_0513B31: を投ずといへども塵芥を視るが如し其佛像を造營し
J19_0513B32: 廢寺を興繼し檀林及諸寺に寄施する事前後數千金年
J19_0513B33: 八十に及ひて身躰矍鑠として能佛を禮す音聲雄亮に
J19_0513B34: して最讃梵に工なり聞者信を增常に衆を誡て云凡寺

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