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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0508A01: 後守家士に列す寬文十二子年七月霞ケ關の本邸に生れ元祿九
J19_0508A02: 子年五月十七日赤坂龍泉寺にいり淸譽文察の弟子と
J19_0508A03: 成り剃度す後芝峯にいりて修學を策勵し性逸俊にし
J19_0508A04: て内外をさとる禪詩の道に入歌文の幽雅を愛す法問
J19_0508A05: 論議怠りなく講筵會讀つとめてはけむしかれども
J19_0508A06: 性淸貧にして學席に居止かたく一字班のなかばにし
J19_0508A07: て既に退山せむとす貫主演譽白隨大僧正是をきき給
J19_0508A08: ひ其才朗を愛可し幹事を司どらしむ同役辨弘觀智院淨運院享保五
J19_0508A09: 子年七月役に列し同九辰年六月廿五日役を辭す同十
J19_0508A10: 一巳年命を奉して善導寺に住す在居十一年にして
J19_0508A11: 同廿卯年春弘經寺に轉す例により紫を賜ふ元文三午
J19_0508A12: 年秋傳通院に移る延享二丑年八月十一日縁山に貫主
J19_0508A13: として大僧正に任ぜらる十三日入院の則式ありて十
J19_0508A14: 五日登營御禮在職の間三大藏の内第三藏闕本ありし
J19_0508A15: を讚岐國法然寺より寫取員數目錄を修補せらる寬延
J19_0508A16: 二已年七月退職の事を寺社司大岡氏に述せらる廿六
J19_0508A17: 日御差留の台命をつたへ靑山氏本多氏二使謁せらる
J19_0508B18: 同三午年二月四日再ひ辭職の願ありしかは十三日稻
J19_0508B19: 葉氏大岡氏の二使免命を傳へらる十四日一本松に
J19_0508B20: 移り栖て偏に西方の素意を欣求せらる此後門譽大僧
J19_0508B21: 正辭職ありしかは一本松を讓り給ひ縁山内眞乘院に
J19_0508B22: 引移り給ひ同四未年安立院境内に隱室をかまへ是に
J19_0508B23: 閑居し寶曆五亥年四月廿五日正念端座して逝去あり
J19_0508B24: 春秋八十四 辭世
J19_0508B25: 脩短繫筆 八十四年 長寢大夢 制不在己
J19_0508B26: 忍海上人今師の肖像を摸寫し孫弟盈譽に給ひけれ
J19_0508B27: ば 一 阿
J19_0508B28: うつしゑのすかたは葛の松原の
J19_0508B29: 木の間に洩る影もはづかし
J19_0508B30: 此箱の上に
J19_0508B31: 萠出る草の中にも葛の葉と
J19_0508B32: 人やみるらむうつす姿を
J19_0508B33: 又備前少將源綱政朝臣かねて師に歸依し給ひ常に
J19_0508B34: 贈答あられけるに此像に讃をこはせられしかば

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