浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0498A01: | 話をうくわれ壯年より彌陀に奉し持名する事久し然 |
J19_0498A02: | とも宗轍を異にするか故に心行の所歸に至て疑滯な |
J19_0498A03: | き事あらす今親しく示誨を蒙り積年の凝氷渙然とし |
J19_0498A04: | てとく何の貺ものか是にしかんと師の手書名號彼國 |
J19_0498A05: | に流布する事多しといへり同三年夏月光院殿師の奉 |
J19_0498A06: | 持せらるる彌陀の尊像を殿中に奉し當上の鎭護の本 |
J19_0498A07: | 尊となしたまひ九月宮中に師を請し宗戒の兩脉をう |
J19_0498A08: | け剃度の式に擬し師の念珠袈裟を受持し給ふ冬十月 |
J19_0498A09: | 天英院殿一位女公師をして黑本尊を殿中に奉持せし |
J19_0498A10: | め乘輿を廷内に給ひ又茵坐を御前に給ひ致請聞法し |
J19_0498A11: | 宗脉及ひ念珠をうけ給ふ法心院夫人蓮淨院夫人もま |
J19_0498A12: | たうけ給ふ嬪御侍女老少となくみな十念をうけ本尊 |
J19_0498A13: | を殿中に安置し供養なし給ふ事三日弟子祐海奉迎囘 |
J19_0498A14: | 輦の時加賀宰相光高卿の室號淸泰院其藩内に奉請し敬て |
J19_0498A15: | 拜瞻し後大夫人の命により寶龕を經營す珠玉莊嚴精 |
J19_0498A16: | 巧を窮極す十一月廿七日辭職を老軀につげ官司に達 |
J19_0498A17: | す靑山播磨守十二月に及ひ留使松平對馬守ありてゆるし給はす |
J19_0498B18: | 同三年歳首御禮より御中の口まて乘輿の免許あり其 |
J19_0498B19: | 後登城大廣間まて乘輿あり同四午年夏六月十一日 |
J19_0498B20: | 頻に乞願はれしかは同月十九日許可あり廿三日先つ |
J19_0498B21: | 眞乘院にうつり廿九日麻布の隱室に閑居しひたすら |
J19_0498B22: | 世縁を謝して夙夜念佛し書號の外他事なし蓋師の道 |
J19_0498B23: | 力堅固衆生を重苦に脱し幽魂を冥途にすくひかの累 |
J19_0498B24: | 女の怨恨解脱のこときその數甚多し或は至精に念佛す |
J19_0498B25: | れは佛像周身に汗し丹心に懇祈すれは神明形を現し |
J19_0498B26: | て其求に應し手書の名號信受服膺すれは印施の手書 |
J19_0498B27: | なりといへとも刀劒水火病患産難をまのかる又是を |
J19_0498B28: | 奉持安置すれは災厲蠲除し魔魅便を失ふ嬰兒といへ |
J19_0498B29: | とも肅敬し偶偶不信なるものあれは厲疫崇りをなす |
J19_0498B30: | 驚て像前に悔謝するもの尚少からず師大巖に住する |
J19_0498B31: | の時は屢屢道譽上人の靈告を得傳通院にあつては了 |
J19_0498B32: | 譽上人の喜顏を拜し麻布にいます日は元祖大師を拜 |
J19_0498B33: | 禮し又酉譽上人に謁する等其深く祖意に符ふ事しる |
J19_0498B34: | へし師平生受る所の信施いまたかつて自ら用ひす悉 |