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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0498A01: 話をうくわれ壯年より彌陀に奉し持名する事久し然
J19_0498A02: とも宗轍を異にするか故に心行の所歸に至て疑滯な
J19_0498A03: き事あらす今親しく示誨を蒙り積年の凝氷渙然とし
J19_0498A04: てとく何の貺ものか是にしかんと師の手書名號彼國
J19_0498A05: に流布する事多しといへり同三年夏月光院殿師の奉
J19_0498A06: 持せらるる彌陀の尊像を殿中に奉し當上の鎭護の本
J19_0498A07: 尊となしたまひ九月宮中に師を請し宗戒の兩脉をう
J19_0498A08: け剃度の式に擬し師の念珠袈裟を受持し給ふ冬十月
J19_0498A09: 天英院殿一位女公師をして黑本尊を殿中に奉持せし
J19_0498A10: め乘輿を廷内に給ひ又茵坐を御前に給ひ致請聞法し
J19_0498A11: 宗脉及ひ念珠をうけ給ふ法心院夫人蓮淨院夫人もま
J19_0498A12: たうけ給ふ嬪御侍女老少となくみな十念をうけ本尊
J19_0498A13: を殿中に安置し供養なし給ふ事三日弟子祐海奉迎囘
J19_0498A14: 輦の時加賀宰相光高卿の室號淸泰院其藩内に奉請し敬て
J19_0498A15: 拜瞻し後大夫人の命により寶龕を經營す珠玉莊嚴精
J19_0498A16: 巧を窮極す十一月廿七日辭職を老軀につげ官司に達
J19_0498A17: 靑山播磨守十二月に及ひ留使松平對馬守ありてゆるし給はす
J19_0498B18: 同三年歳首御禮より御中の口まて乘輿の免許あり其
J19_0498B19: 後登城大廣間まて乘輿あり同四午年夏六月十一日
J19_0498B20: 頻に乞願はれしかは同月十九日許可あり廿三日先つ
J19_0498B21: 眞乘院にうつり廿九日麻布の隱室に閑居しひたすら
J19_0498B22: 世縁を謝して夙夜念佛し書號の外他事なし蓋師の道
J19_0498B23: 力堅固衆生を重苦に脱し幽魂を冥途にすくひかの累
J19_0498B24: 女の怨恨解脱のこときその數甚多し或は至精に念佛す
J19_0498B25: れは佛像周身に汗し丹心に懇祈すれは神明形を現し
J19_0498B26: て其求に應し手書の名號信受服膺すれは印施の手書
J19_0498B27: なりといへとも刀劒水火病患産難をまのかる又是を
J19_0498B28: 奉持安置すれは災厲蠲除し魔魅便を失ふ嬰兒といへ
J19_0498B29: とも肅敬し偶偶不信なるものあれは厲疫崇りをなす
J19_0498B30: 驚て像前に悔謝するもの尚少からず師大巖に住する
J19_0498B31: の時は屢屢道譽上人の靈告を得傳通院にあつては了
J19_0498B32: 譽上人の喜顏を拜し麻布にいます日は元祖大師を拜
J19_0498B33: 禮し又酉譽上人に謁する等其深く祖意に符ふ事しる
J19_0498B34: へし師平生受る所の信施いまたかつて自ら用ひす悉

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