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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0499A01: く廢寺を起し絶跡をつぐ南都鎌倉兩大佛の像へ千金
J19_0499A02: を附し洛花の祖跡關左の檀林異派の伽藍有縁の寺院
J19_0499A03: を興起捐財する事枚擧すへからす女院公主乳御遠く
J19_0499A04: 宗脉及ひ名號を需めしむ師謹て奉らる女院金襴の袈
J19_0499A05: 裟座具を給ひ公主金の便面を賜ひ乳御華縹帽子を贈
J19_0499A06: らる是皆師の德隆隆然として周天の法益ならずや享
J19_0499A07: 保二酉年二月十四日西應寺にうつり六月十八日龍土
J19_0499A08: の閑室に棲居す同三年夏四月德廟御廟參の日特に師
J19_0499A09: を縁山の方丈に召見し其老羸を恩恕し茵座を御前に
J19_0499A10: 給ひ加勞の寵命あり是より先命ありて藕絲の安陀衣
J19_0499A11: を給へり六月より少しく病あり猶念佛書號疲倦の色
J19_0499A12: ある事なし七月十五日朝書號十餘幅にして筆をなけ
J19_0499A13: 高聲念佛數十遍午の時に及ひ告て云吾滅後寺宇を創
J19_0499A14: 營し不斷念佛を修し法界衆生に施與すべしと乃ち鉦
J19_0499A15: を擊て開白す今の不斷念佛是也夜に及ひ亦告て云く終焉の期至
J19_0499A16: る聖衆の來迎を待へしと淨巾身をきよめ佛像を拜し
J19_0499A17: 左手念珠右彌陀經をとり口に念佛し安祥として示寂
J19_0499B18: す壽八十二臘七十奇香月をこえてやます此夕淸朗雲
J19_0499B19: なし遠近の緇白靈異を感し胥命を待ずして會に雲集
J19_0499B20: す十六日遺骸を倚子にし拜瞻せしむ顏貌いけるか如
J19_0499B21: し十七日縁山大僧正行事十二僧守廟八院塔頭三十院
J19_0499B22: 及ひ大衆千餘人府内五箇の檀林及舊好の寺院來會し
J19_0499B23: 恭く葬儀を行ふ凡そ棺行の所僧俗蟻集し圍繞念佛す
J19_0499B24: る聲天地を動かす四面數里立錐の地なし其衆心を得
J19_0499B25: る事知へし闍維に及ひ舍利數百千舌根壞せす形ち蓬
J19_0499B26: 葩のことく皓白にして光あり是平生妄語なくして熏脩
J19_0499B27: 念佛の感する處也弟子祐海遺命を奉し殿宇を起し臨
J19_0499B28: 末の開白不斷念佛を移さんとすなはち官に請達す官
J19_0499B29: 其所謂に準とす是に於て目黑善久院の舊跡に就て寺
J19_0499B30: 宇を剏起し師の肖像を中央壇上に安置し側に廟塔を
J19_0499B31: 建靈骨を藏め寶龕を造て舍利舌根を永舍し將來の信
J19_0499B32: を徴す德廟命ありて祐海を住持とし制例に踰越し新
J19_0499B33: に祐天寺の號をたまふ一日大駕郊行の便蹕を寺にと
J19_0499B34: どめ寺にいり師の像を壇上に仰見祐海をめし師の像

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