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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0486A01: 往生せし靈跡あり幡隨上人其庵を中興し里民其德化
J19_0486A02: に歸信し終に蓮生山熊谷寺と名く上人しはらく此地
J19_0486A03: にいまし遠近の道俗を勸誡ありしかは廣次も折にふ
J19_0486A04: れて説法を聽受し淨土の秘術を感敬せしかはやかて
J19_0486A05: 剃度を上人に求む上人われは老木のことしわか資弟の
J19_0486A06: 中蓮隨は純行精修の達匠なり内外の典籍を涉獵し禪
J19_0486A07: 密の淵玄を知究す是か附弟となさしめんとてつゐに
J19_0486A08: 十四歳にして去年名を廣長と改む元和五年八月出家し内外の敎
J19_0486A09: 相を學ふあくれは六年師と共に伊勢國山田に至り師
J19_0486A10: 梅香寺を開建せらるるを補佐し若年たりといへとも
J19_0486A11: かつて老匠に異ならす終夜坐禪誦念怠る事なし其翌
J19_0486A12: 年元和七の九月六日父廣次忍に身まかりしを聞きい
J19_0486A13: よいよ勤修の功を勵す此時一族ともに家にかへらん
J19_0486A14: 事などすすめしをいととうき世の中なりとて
J19_0486A15: たらちねの世にありしにものかれ來し
J19_0486A16: 身を今さらにかへるべきやは
J19_0486A17: 世をのかれ此みや川にきよめけり
J19_0486B18: こころにつもるちりもあくたも
J19_0486B19: とてつゐに家の事を弟新藏ことし八才に附與ありしかは
J19_0486B20: 庶弟新次郞のち忠次郞をつれ江都に出行ぬ其後江戸にい
J19_0486B21: たり貴屋增上寺二十三世大和尚に隨ひ圓戒宗脈の奧旨を禀受
J19_0486B22: し老母をさとして念佛の門にいれ西土の往生をすす
J19_0486B23: めて不退の信者となさしめられけり母儀命果の後其
J19_0486B24: 追福のためとして小石川に智願寺運正院と名くを開基す慶
J19_0486B25: 安四卯年十二月廿四日淺草誓願寺に住しけるに檀家
J19_0486B26: の諸侯大に歸信敬受す承應二巳年春命によりて大善
J19_0486B27: 寺に住す此時師の高奏にて嚴廟より新境内一萬五千
J19_0486B28: 坪を前賜の境地に添給へり諸役共に免除又本堂門庫を再修
J19_0486B29: し疆境を廣め學徒を育敎す故に當山の中興と仰くし
J19_0486B30: ばしにして命ありて大光院に移職し紫服を賜り其山
J19_0486B31: を興起す又光明寺に法務しいよいよ學徒を導く凡そ
J19_0486B32: 到處の檀林にして論議を興隆し堂閣を再修し宗風を
J19_0486B33: 遠近に振はすといふ事なし延寶三卯年閏四月廿八日
J19_0486B34: 奉鈞命芝峯第二十八主となる入院法問の則題阿賴耶識今師『唯識』

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