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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0478A01: 街に卜し了學寺と名け又北谷の新境に雲晴院をひら
J19_0478A02: く同十一戌年春微恙ありしかは報〓の日を知り徒弟
J19_0478A03: を哀誡し念佛座定する時一道の白光西より來り室中
J19_0478A04: を照す事落暉の窓前に入かことし二月十三日大漸に
J19_0478A05: 近ける旨上奏せしかは公入御御對面の上何にても願
J19_0478A06: あらは申へき旨上意により飯沼弘經寺常紫衣の事申
J19_0478A07: 上られ後申の時にいたり微笑端座し入寂す闍維の時
J19_0478A08: 穢臭なくして骨舍利となり白光靑光映彩あり春秋八
J19_0478A09: 十六遺弟塔を縁山歷祖の側に建『偈』以傳上人云十七年忌
J19_0478A10: 良馬鞭玆恩欲報報無辰慇懃脩香花微志臘月梅花丹誠
J19_0478A11: 人『賛』云禪大僧正遯跡海霧起搴法旗寧假非熊王者之師
J19_0478A12: 第十八主 了蓮社定譽上人向西隨波大和尚
J19_0478A13: 筑前國糟屋人姓藤原端山氏母吉田氏一説に江都産父峰屋氏則髦下の土也と云
J19_0478A14: 云父母郡の牛頭天皇に禱祥す應を感し孕事あり出胎
J19_0478A15: の後幼より葷腥を茹す性孔た聰睿なり慶長三年梅雨
J19_0478A16: のころ里兒と共に水邊に戯劇するに適適鱯魚を捕
J19_0478A17: 其脊に文字あるを見るに亡父の法諱なり是に於て戚
J19_0478B18: 戚として自ら郷の長德寺にゆき塵宇を出其後義學に
J19_0478B19: 志し檀林にむかひ漸く伊豆の國の堺にいたり箱根の
J19_0478B20: 神祠に詣て通夜し道心の彌彌かたからん事を祈る此
J19_0478B21: 夜權現夢中に現し金團扇を給ふ覺ておもひらくこれ
J19_0478B22: 法將の祥瑞なりと心大に歡ひ關左の名匠をとひ諸方
J19_0478B23: に遊びて論塲をかさぬたまたま幡隨上人の高惠に伏
J19_0478B24: し師とし事ふ事數年智惠嶄然として世に卓冠たりの
J19_0478B25: ち隨流上人に圓戒をうけ又觀智國師にも從學嗣法あ
J19_0478B26: り一方の法將として道德高逸他の讓る處なりしか
J19_0478B27: ばいくばくならすして上野國舘林善導寺に奉職せら
J19_0478B28: る此時或夕化女來りて傳法授戒の與許をこふ師其姓
J19_0478B29: 氏をとふ答云妾は此地わたりの躑躅が淵に栖めり父
J19_0478B30: 母は先師幡隨上人に宗戒の二脉を禀得し龍譽高天王
J19_0478B31: 譽妙龍と名く既に淨土八功池に生れ三熱の苦報を
J19_0478B32: 脱す願くは妾も又是に繼んとす願くは師必す聽許し
J19_0478B33: 妙法を授けよと云云師の云汝かいふ事しかりといへ
J19_0478B34: とも狐狸野干の來りて予か法力をくちくにもあらん

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