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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0465A01: ずといふ事なし中略淨土の佛法彌繁昌他に異なり
J19_0465A02: 扨又慶長年中 公方家より關東眞言宗へ八ケ條の
J19_0465A03: 御法度仰出さるる其中に常に佛法興隆をむねとし
J19_0465A04: て如法に行義を專とすべしとある處に修善禁法の
J19_0465A05: たしなみはなくあまつさへ佛體色性の卒塔婆を折
J19_0465A06: て捨る事惡逆無道共はなはたし世のにくむ所人の
J19_0465A07: 指さす所なり是偏に眞言宗破滅の前表なるべしと
J19_0465A08: 申あへる所に增上寺聞召夫釋尊四十九年の御説法
J19_0465A09: も唯これ一乘の法のみ有て二もなく又三もなし此
J19_0465A10: 土西天一乘の法一相味なれとも衆生の情欲異なる
J19_0465A11: によつて解る所の法門各差別あり然を邪人正法を
J19_0465A12: とけは正法も又邪法となり正人邪法をとけは邪法
J19_0465A13: も則正法となる佛道の心よくひらけぬれは世間の
J19_0465A14: 相皆一味の佛法なり爰を密宗には一切衆生草木國
J19_0465A15: 土悉大日と談す扨又淨土宗には八萬諸聖敎皆是阿
J19_0465A16: 彌陀と見奉る他力實體の法門に至ては色心實相に
J19_0465A17: して森羅萬象山河大地彌陀にあらすといふ事なし
J19_0465B18: かくのこときときは自他勝劣もあるへからす自心
J19_0465B19: 他心一枚にして凡聖不二也何をか求め何をか捨ん
J19_0465B20: 新古今にいつくにか我法ならぬ法やあると空吹風
J19_0465B21: にとへと答へぬ是唯有一乘の法の心を前大僧正慈
J19_0465B22: 圓は詠せり双方無用の諍論なりと宣へは此法論無
J19_0465B23: 事に成ぬ有かたや此國師慈悲平等を宗とし諸宗の
J19_0465B24: 心を我心とし給ふ眞實修行の人は他人の是非を
J19_0465B25: とかめずといへる古人の言葉思ひしられたり夫多
J19_0465B26: 聞は鉾を橫たへ愛染は弓に矢をはけ給ふ是皆方便
J19_0465B27: の殺生にて菩薩の六度にも勝れたるとかや古語に
J19_0465B28: も心荒たつ時は三寶荒神靜成時は本有の如來とい
J19_0465B29: へり誠に聖國師にてましますと尊かりけり
J19_0465B30: 『慶長見聞記』云八月廿三日於岐阜表討取首注文四
J19_0465B31: 百卅福島左衞門太夫手四百九十池田三左衞門手三
J19_0465B32: 百八淺野左京太夫手貳百五十山内對馬守手二百三
J19_0465B33: 十田中兵部少輔手貳百四十堀尾信濃守手此内百廿
J19_0465B34: 桶に入江戸へ下す御實撿の後麻布原に首吊塚を御

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