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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0454A01: 在禪大僧正賛云名其顯本乎來觀世縁自非大悲迹火車
J19_0454A02: 曷現蓮 (火車上上人坐蓮臺去空裡圖) (略之)
J19_0454A03: 第四世 文蓮社隆譽上人珠阿光冏大和尚
J19_0454A04: 近江國蒲生郡の人にして蒲生左衞門尉秀胤法名常椿の臣
J19_0454A05: 蒲生兵衞三郞秀重の二男なり始父秀重秀胤の寵を得
J19_0454A06: て猶子として岩室の別業に住し本家を紹承させん事
J19_0454A07: を計る此時秀胤實子秀兼左衞門尉と號す幼稚にして家を離れ
J19_0454A08: 大野にありけるを家臣父子の中隔つる事繼母の讒に
J19_0454A09: よれる事を知りて秀重を遠ざけしかは其後音譽上人
J19_0454A10: の發心淸操をしたひ世間のあぢきなく定りなきをさ
J19_0454A11: とりてひとり家をのかれ關東にまかりて音譽公を拜
J19_0454A12: し剃度を求む其性俊逸内外の典籍を涉獵し又和歌詩
J19_0454A13: 賦に志をあそはしめ常に音譽公と共に歌筵につらな
J19_0454A14: る禪敎の幽致を究めしか
J19_0454A15: 文明六年六月十七日の歌合に 珠阿
J19_0454A16: 海邊夕立 海原やつりの小舟になるかみの
J19_0454A17: うをの命をやすめぬるかな
J19_0454B18: 深山納凉 うつり行月日もわかぬ山なから
J19_0454B19: 秋ややちかきまきの下風
J19_0454B20: 連夜待戀 ならひこし心のほとも忘られて
J19_0454B21: あすとうらみん我身ともなし
J19_0454B22: 此外に傳ふる歌なし惜へし年光うつりて其傳をかく
J19_0454B23: 事を文明十一亥年十一月廿六日增上寺第四世の重職
J19_0454B24: を得て一宗の依賴たり又駿州にいたり淨土の要行を
J19_0454B25: とき示されしかは緇素蟻集し一宇をたつ仙年寺と號
J19_0454B26: す明應元子年五月十四日病ありて寂す辭世
J19_0454B27: 世をそむきいとふこの身のなれも今
J19_0454B28: にしに生るるはしめなりけり
J19_0454B29: 第五世 光蓮社天譽上人了聞大和尚
J19_0454B30: 信濃國伊奈郡高遠の人父は飯田氏母は野澤氏はしめ
J19_0454B31: 禪林にいりて別傳の玄味を甘受し諸國を雲水し知識
J19_0454B32: を求む冏公の叢林に説淨するを聞て忽ち改門し隨從
J19_0454B33: 敎授手をかさね信行の秘術濟凡の奧妙を極め一信に
J19_0454B34: 西敎を仰きて衆徒の爲に講説す明應元子年八月第五

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