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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0453A01: 館にありけるか靈夢の告ありて築城す入道師と交り深く世外の談に及數刻
J19_0453A02: を移す又和歌の淸友にして會催數度に及へり又其頃
J19_0453A03: の禪匠蘭坡龍澤橫川もみな師と交り深く討文の贈答
J19_0453A04: あり惜哉年曆數移其詩歌世に傳ふるものなし
J19_0453A05: 文明六年六月七日心敬を判者として道灌をはしめ
J19_0453A06: 木戸三河守孝範太山大和守資俊奧山好繼資常資忠
J19_0453A07: 惠仲珠阿資雄瑞泉房宗培と共に歌會あり其中に師
J19_0453A08: の歌
J19_0453A09: 海上夕立 音あらきなたの波路の鹽風に
J19_0453A10: かへれはむかふ夕立のそら
J19_0453A11: 深山納凉 いかにせん又そとひこむ夏の日も
J19_0453A12: もらぬ深山の槇の下庵
J19_0453A13: 連夜待戀 いつをさて限ならまし夜なよなの
J19_0453A14: 月にかこては有明のそら
J19_0453A15: 此外或集の中に音譽上人の歌とて
J19_0453A16: 眺望 難波津や霧はるる夜の秋風に
J19_0453A17: すみのえ遠くすめる月かけ
J19_0453B18: 畑 物そふる賤のみまれにゆききして
J19_0453B19: ゆふへ淋しき秋のやまはた
J19_0453B20: 躑躅 けふの日も西になりつつくれなゐの
J19_0453B21: つつしか岡につつしかさして
J19_0453B22: 文明十一年亥七月二日大衆をあつめ堂にのほり獄火
J19_0453B23: 來現の法則を問起するに衆皆有無現前をいふける此
J19_0453B24: 時衆につけて云我化縁玆に盡吾將に逝んとすとすな
J19_0453B25: はち偈を唱て曰看看天地淸濁色五妙境界淨刹臺三惡
J19_0453B26: 火坑阿鼻底一機不轉古今事
J19_0453B27: 火宅をははやもえ出む小車の
J19_0453B28: のりえて見れは我あらはこそ
J19_0453B29: 云畢て空裡をまねくに忽ち火車を現すこれにのりて
J19_0453B30: 忻然として去る又人によりて寶蓮に座し天童圍繞し
J19_0453B31: 雲衢に冲り西に入とみる世擧て觀音の化身といふ
J19_0453B32: 『新著聞集』崇行篇にも出せり松譽讚云觀以信根至瀧
J19_0453B33: 湫神感作瑞又説彌陀經靈含頭合頭終登上位是法力術
J19_0453B34: 超邁道德非常者其容易到此耶念之赧然

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